目次
紫キャベツ液とは
紫キャベツ液(指示薬、検査液といった呼ばれ方もします)は、その名の通り紫キャベツから作られる液体です。紫キャベツを千切りにして、鍋などに水とともに入れて煮ると、この液体が完成します。※千切りにしたものを一度冷凍しておくと、色が落ちやすくなります。
紫キャベツ液は、主に理科の実験などで、水溶液が酸性か、中性か、アルカリ性かを調べる際に使われます。
同じようなものに、「リトマス試験紙」がありますよね。ただこれは、赤・青の変化でしか、水溶液の性質を見分けることができません。一方、紫キャベツ液の場合は、多様な色の変化によって酸性・アルカリ性の強弱まで見分けることができるのです。
なぜ色が変わるの?
紫キャベツ液を水溶液に加えると、水溶液が中性の場合は紫色のままですが、弱酸性の場合はピンク色、酸性の場合は赤色へと変化します。また、アルカリ性の場合は、性質が弱い順に青色→緑色→黄色と変化していきます。
色が変わる理由は、紫キャベツには「アントシアニン」とよばれる色素が含まれているためです。この色素が水の性質(酸性・中性・アルカリ性)によって構造が変化し、色が変わるというわけです。
このアントシアニンは紫キャベツの他に、ブルーベリーやナス、紫芋といったものにも含まれています。
変色パターンの覚え方は?
紫キャベツ液の変色パターンの覚え方は、大きく分けて二つあります。一つ目は、上のような画像を覚えてしまうことです。「簡単に言うなよ…」と思うかもしれませんが、紫キャベツ液が変化する色は赤色や黄色、青色といったハッキリした色が多いので、意外とすんなり覚えることができます。是非試してみてください。
もう一つは、語呂合わせを用いることです。しつこいようですが、紫キャベツ液は強い酸性→中性→強いアルカリ性の順に並べると、赤、ピンク、紫、青、緑、黄といった順番になります。これを一つの文にしようとすると、少し無理やりですが、
「赤ピーマンを村で青いミキサーにかける」
「赤ちゃんのピンチに群がる青ミッキー」
などがあります。もちろん、自分で語呂合わせを考えてみても面白いと思いますし、その方が記憶に残りやすいでしょう。是非、オリジナルの語呂合わせも作ってみてください。
紫キャベツ液は夏休みの自由研究にも向いている!?
紫キャベツ液を使って身の回りのものを酸性かアルカリ性かを調べる実験は、夏休みの自由研究の定番と言って良いでしょう。
■準備するものは次の通りです。
紫キャベツ(レッドキャベツ)、酢(台所にあるものでOK)、重曹(歯磨き粉でOK)、レモン、鍋、ガスコンロ(台所のものを使用)、紙コップ
①:まず、紫キャベツを小さく切りましょう。
②:小さく切った紫キャベツを一度冷凍します。冷凍することで、後で色落ちしやすくなります。
③:紫キャベツを水を入れた鍋に入れ、煮込みましょう。
④:10~15分間ほど煮込むと、水が紫色に変化します。これが「紫キャベツ液」です。※できたばかりの紫キャベツ液は高温のため、絶対に素手で触らないでください。
⑤:紫キャベツを鍋から取り出し、残った紫キャベツ液を紙コップに移しましょう。(5~10個ほどの紙コップに入れておくと、失敗した時なども安心です)
⑥:紫キャベツ液の入ったそれぞれの紙コップに、酢、重曹、レモン液を入れてみましょう。
⑦:紫キャベツ液が、それぞれのどのような色に変化するか見てみましょう。
⑧:色の変化から、酢、重曹、レモン液がそれぞれ酸性、中性、アルカリ性のどれに当てはまるのか、ノートにまとめましょう。
~さらに+α(プラスアルファ)~
⑨:酢、重曹、レモン液以外にも、身の回りの様々なものを紫キャベツ液で調べてみましょう。漂白剤や化粧水、ハンドソープ、コーヒーなどを調べてみると面白いかもしれません。
※一度使用した紫キャベツ液には、他のものを絶対に入れないでください。中には混ぜると危険なものもあります。
おわりに
いかがでしたか?紫キャベツ液について、ご理解いただけたでしょうか。先述のように、紫キャベツ液は自分で作ることも可能です。「理科の実験が好き!」という人は、身近にあるいろいろな水溶液が酸性なのか、アルカリ性なのかを調べてみてください。夏休みの自由研究などにもいいかもしれません。※くれぐれも、十分な安全性を確認したうえで行ってください。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。