やさしい確率の解き方|全学年/数学

勉強方法

【確率に慣れよう!計算もいらない、樹形図もいらない、やさしい確率問題】
確率は、中学で樹形図を作るところから始まります。だけど、確率が苦手になってしまう中学生はたくさんいます。中学受験をする小学生にとってもさけては通れません。まずはやさしい問題から、確率に慣れましょう。

目次

ひろし君がけんた君より右にいる確率は?

こんな問題を見たことがあります。

7人の生徒が自由に横一列に並んだ時、その中のひろし君がけんた君より右にいる確率を求めよ

考え方はいくつかあります。
7人の生徒の並び方は、7×6×5×4×3×2×1=5,040通りもあります。その中で、ひろし君がけんた君より右にいる並び方は…計算はちょっと大変ですね。樹形図を作るのはもっと大変そう。
“たぶん1/2のはずなんだけど”
みんなそう感じますよね。
そう、答えは1/2なんです。

“たぶん1/2のはず”では根拠がないから困る。という人。逆に、ひろし君がけんた君より右にいやすい理由があるでしょうか? 何もないですよね。なので、1/2なのです。
これはコインを投げたとき、表の出る確率を1/2、裏の出る確率を1/2と決めている根拠
“同様に確からしい”
の考え方と同じなんです。実際にコインを100回なげたとき、表と裏がぴったり50回ずつ出る方が珍しいですけどね。でも、確率は1/2でいいんです。

大小2個のサイコロ投げた時、同じ数(ゾロ目)が出る確率は?


この問題もよく見ます。計算しても良いし、6マス×6マスの表を作って考えても良いです。答えは1/6ですね。
でも、こんな考え方はできませんか?同時に投げてもほんの一瞬、先に止まるサイコロの目が決まりますよね。後に止まるサイコロが同じ目で止まる確率は1/6です。だから、同じ数(ゾロ目)が出る確率は1/6なのです。
計算も、6マス×6マスの表も必要ないですよね。

くじ引きを引く順番で確率は変わるの?

次の問題を考えてみましょう。

アタリが1本、ハズレが3本入った合計4本のくじ引きを、4人で1本ずつ順番にひきます。3番目に引く人の当たる確率を求めよ

まず考えられるのは、1番目に引く人の当たる確率は1/4ですよね。もし、3番目に引く人の当たる確率が1/4でなければ喧嘩になってしまうかもしれません。
もちろん計算でも樹形図でも答えは出るのですが、こう考えてみませんか?
3番目に引く人にも必ず1本のくじが手に入るとき、4本のくじの中で手に入りやすいものがあったらおかしいですよね。
だから答えは1/4なのです。何番目に引いても1/4だからくじ引きは公平なのです。
もちろん、計算して確かめてみましょうね。

じゃんけんで勝つ確率は?


最後にじゃんけんで勝つ確率を、樹形図を作らずに考えてみましょう。
まず、2人でじゃんけんをするとします。サイコロと同じで、相手がほんの一瞬出した手が[パー]だったとき、自分が[チョキ]なら勝ち、[グー]なら負け、[パー]ならあいこですね。
相手の出した手が[グー]でも[チョキ]でも同じことだから、自分の勝つ確率は1/3になります。

では3人でじゃんけんするときはどうでしょう。2人の相手が同じ手[パー]と[パー]を出したとき、自分が[チョキ]なら勝ち、[グー]なら負け、[パー]ならあいこです。
2人の相手が違う手[パー]と[グー]を出したときは、[パー]なら勝ち(2人勝ちも勝ちとしましょう)、[グー]なら負け、[チョキ]ならあいこですね。
これで2人の相手の手の組み合わせが何であっても、自分が勝つ確率は1/3だといえますよね。

確率は自身をもつことが大切

もし、高校生の方がこの記事を読んだら、「やさしい問題ばかりで役に立たない」と思うかもしれません。
でも、よく考えてほしいのです。難しい確率問題を解くために場合分けしたり、式を立てるとき、自信のない解き方では正答できませんよね。
大切なのは基本を理解して、結果に自信を持つことなのです。

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こちらの記事の監修者

浅井保(あさい たもつ)

  • ・北海道大学文学部卒
  • ・家庭教師のアルファ 講師部長

2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。