仕事算の解き方!基本を理解しよう|小学生/算数

勉強方法

今回は、中学受験の算数でよく出てくる「仕事算」について触れていきます。
まず、仕事算とは何だっけ・・?の前に、中学受験の算数を「中受算数」と略させて頂きます。ご了承下さい。
仕事算は中受算数の中でも「よく分からない・・・。」といった声がちらほら聞こえる問題ではありますね。なぜ分かりにくいのでしょうか?苦手リストに入りやすい仕事算、何とかしたいですよね。はい。意外と何とかなります。(笑)
今回ではあくまで基本的な仕事算の解き方について触れています。しかし、仕事算が苦手という生徒さんの多くは、応用問題でつまずいている訳ではないのです。基本的な解き方(仕事算の考え方)が身についていない事が多いのです。
何事も基本が大事なんですね。そして、仕事算の解き方が身につけば、他の特殊算に応用が効きます。中受算数で応用問題と言うのは、色々な特殊算の解き方を必要とする問題が多いのです。つまり、応用問題を解けるようになるためには、それぞれ基本的な問題の特殊算に慣れる事が何より大切なんですね。
・・・長くなってしまいましたが、何事もまずはやってみる事が大事です。
仕事算、やってみましょう!

目次

まずはこれを解いてみよう!(問題1)

中学受験にピッタリの勉強法とは?

「ある仕事をするのにA君は8日かかり、B君は12日かかり、C君は24日かかります。初日だけA君とC君で協力して仕事をし、残りをA君とB君で協力して終わらせました。この仕事を終えるのに合計何日間かかったでしょう?」
・・・いやいや、冗談です。これを始めから解けと言われても、なにがなんだか分かりませんよね。
しかし、半分冗談ではありません。実は、しっかりこの記事を最後まで読めば解けてしまう問題なのです。(段階を踏む事が大事ですね。)
最後まで読んだけど、最初からちょっとよく分からない・・・。と思った方もいらっしゃると思います。
基本的な仕事算を解くには・・・。
○分数の計算
○公倍数、公約数の仕組み
○割合と比

といった3つの知識が必ず必要です。そこでつまずいてるな・・と感じた方は無理せず戻り学習をしましょう。
算数は他の科目に比べ、特に学ぶ順番が大事な科目なのです。そこを間違えてしまうと・・苦しさが多い勉強になってしまいます。勉強は多少辛いものですが、辛すぎる必要はありません。1つずつ丁寧にこなしていきましょう。
それでは、基本中の基本から見ていきましょう。

基本を復習してみよう!(問題2)

「全部で150ページの本があります。A君はその本を毎日同じページ数だけ読み、5日間でちょうど読み終えました。
さて、A君は1日で何ページずつ読んでいたでしょうか?」

まずはこの問題を解いてみましょう。といっても、これはあっさり解けてしまうと思います。

[式]<150 ÷ 5 = 30>
[答え]1日につき30ページ


あれ・・・?簡単では?まぁあぁ、最初はそんな感じで良いのです。大事なのはここからの解説です。
仕事算の世界では、この問題の場合ですと・・。

○150ページ → (全体の仕事量)
○30ページ → (1日あたりの仕事量)
○5日 → (終えるまでの日数)

という読み取り方をします。
公式は<割合の比べる量 ÷ もとにする量 = 割合>と同じように
<全体の仕事量 ÷ 1日あたりの仕事量 = 終えるまでの日数>となります。
数が2つ分かれば必ずもう1つも分かるというパターンですね。
仕事算ではこの3つのうちどれか1つの数を求める事になります。そして、大体の問題では全体の仕事量が分からない状態が多いのです。
・・・え?と思うかもしれませんが、実は何とかなります。(笑)
まあ、次行ってみましょう。

次は実践的な問題にチャレンジ!(問題3)

A君はある宿題を終えるのに6日かかります。B君はその宿題を終えるのに12日かかります。仲良しな2人はその宿題を協力してやりました。さて、宿題は何日かかりましたか?」
この問題の式と答えは以下になります。

[式]<1/6 + 1/12 = 1/4> <1 ÷ 1/4 = 4>
[答え]4日間

解くためのポイントは・・・。

○全体の仕事量を(1)で仮に設定する事
○2人の仕事量を足して新たな1日あたりの仕事量を出す事

の2つですね。この問題は仕事算の1番基本的な問題です。

なぜ、A君の1日あたりの仕事が1/6なのか・・?
A君は6日で宿題を終える事ができます。それは、言い換えると1日では宿題全体の1/6を終わらせる事ができるという事なんです。
つまり、<1日でできる量 = 1日あたりの仕事量 = 1/6>と考える事ができます。

B君も同じ考え方で1日あたりの仕事量を出していくと・・。
○A君→ 1日あたり全体の1/6 の量が終わる
○B君→ 1日あたり全体の1/12 の量が終わる

実際は2人で協力したので・・。
<1/6 + 1/12 = 3/12 = 1/4>
A+Bの1日あたりの仕事量は1/4となり、宿題を終えるまでの日数は4日となるのです。
結局宿題の具体的な量は分からずじまいですが、まあ・・そこは個人差がありますし、そっとしておきましょう。(笑)

大切なのは、全体の仕事量が分からない場合は、(1)で仮の全体を作ると言う事ですね。
ちなみに仮の全体は6と12の公倍数でも作る事ができます。数はなるべく小さい方が楽なので最小公倍数でいきましょう。
6と12の最小公倍数は24ですから、全体の仕事量を24で考えると・・・。

○A君の1日あたりは → 4/24 ・・・(4)
○B君の1日あたりは → 2/24 ・・・(2)

となるのです。2人で協力するのですから<(4)+(2)=(6)>が1日あたりの仕事量となり、<24 ÷(6)= 4(日間)>となる訳ですね。
「やり方が2つあると、正直ややこしい・・・!」と思った方、その通りです。(笑)
ですので、全体を(1)と考えて分数で計算する方がオススメですね。それに慣れてきたら公倍数で・・ぐらいの気持ちで良いと思います。 
次の問題、行ってみましょう。

人数を1人増やしたよ!(問題4)

「ある仕事をするのにA君は6日かかり、B君は10日かかります。ある日2人と仲の良いC君とも協力して3人でその仕事をしたところ3日で終える事ができました。C君1人では何日間かかるでしょうか?」
この問題の式と答えはこうなります。

[式]<1/3 – (1/6 + 1/10) = 1/15>
[答え]15日間

もう1人C君が増えてしまいましたね・・・。しかも、C君の仕事量が全く分からない・・。
いやいや!そんな事はありません。何とかなります。何とかなるんです。(笑)
解くためのポイントは・・。
○(3人が協力した1日あたりの仕事量) – (A君とB君が協力した1日あたりの仕事量) = (C君の1日あたりの仕事量)
という点です!何をすれば良いでしょうか・・??

そう!(A君とB君が協力した1日あたりの仕事量)が分かればこの問題は解けますね。3人が協力したものと、A君、B君のそれぞれはすでに分かっていますから、式を作る時に足りない部分を文章中から出せば良いのです。
全体を(1)とすると・・・。

○3人の1日あたりの仕事量→1/3
○A+Bの1日あたりの仕事量→<1/6 + 1/10 = 8/30>
○C君の1日あたりの仕事量→<10/30 – 8/30 = 1/15>

となります。分数がいっぱいですね。。追いつけているでしょうか??
段々難しくなってきてますが、一つ一つ丁寧に理解していきましょう。

仕事をする人が変わるよ!(問題5)

「ある仕事をするのにA君は10日かかり、B君は15日かかります。4日間はA君が仕事し、残りはB君がやる場合、仕事が終わるまで合わせて何日かかるでしょうか?」
この問題はどのような式をたてれば良いでしょうか?その答えは、次のようになります。

[式]<1 – 1/10 × 4 = 6/10> <6/10 ÷ 1/15 = 9>
[答え]13日間

解くためのポイントは・・。

○A君が仕事した後の「残りの仕事量」を出す

これに尽きます!「4日間仕事しました」という表現を理解する事が大事ですね。
(仮に決めた全体の仕事量) – (A君が日働いた仕事量) = (B君がする仕事量)となるので、そこに気づければ後は今までの問題と同じ流れで解く事ができます。そのため、式が(1 – 1/10 × 4) = (6/10)となる訳です。

6/10の仕事を1日あたりの仕事量が1/15のB君が1人で頑張る・・。と考えましょう!
さてさて・・・。そろそろお気付きでしょうか??
なんだか最初の問題が解けるのでは・・?と思った方。算数の問題に対する勘が素晴らしいです!
実は、最初の問題も問題5と同じように残りの仕事量を求める問題なのです。ただ、仕事をする人数が多いだけなのです。
・・・それではやってみましょう!!

これで、最初の問題が解けるはず!(問題1の振り返り)


「ある仕事をするのにA君は8日かかり、B君は12日かかり、C君は24日かかります。初日だけA君とC君で協力して仕事をし、残りをA君とB君で協力して終わらせました。この仕事を終えるのに合計何日間かかったでしょう?」
ついに最初の問題に戻ってきましたね。これまでの段階をしっかり踏んできたあなたなら、きっとこの問題も解けるはずです。
この問題の式と答えはこうなります!

[式]<1 – (1/8 + 1/24) = 20/24>
<20/24 ÷ (1/8 + 1/12) = 4> <4 + 1 = 5>
[答え]5日間

・・どうでしょうか?無事に解けましたでしょうか?この3人だとC君はじっくりゆっくり仕事をするタイプなのかも知れませんね。(笑)

この問題の解くポイントは・・・。
○特になし
特にありません・・。いやいや、決して無責任になっている訳ではありませんよ。(笑)
なぜなら、今までの問題を混ぜ合わせたものがこの問題になっているのです。
今までのポイントとして・・。

○全体が分からないときは①を仮の全体に
○A、B、Cそれぞれの1日あたりの仕事量を出す
○協力した時の1日あたりの仕事量を出す
○残りの仕事量を出す

という点がありました。つまり…。

○A君とC君の1日あたりの仕事量→<1/8 + 1/24 = 4/24>
○A君とB君の1日あたりの仕事量→<1/8 + 1/12 = 5/24>
○初日が終わった後の残りの仕事量→<1 – 4/24 = 20/24>

これらが1つ1つ理解できていれば、解答の式にたどり着く事ができるでしょう。

中受算数で大切な事とは?

いかがだったでしょうか?勉強後はしっかりリラックスタイムを取って下さいませ。
それでは、最後に大事なポイントをお伝えしていきますね。

♦段階を踏んで理解する事
やはり、中受算数の仕事算に慣れていない方は、いきなり問題①では混乱すると思います。その場合、まずは「仕事量って何だろう・・?」と言う所から始めれば良いのです。
遠回りに思えるかも知れませんが、遠回りこそが結果的に近道だった場面は、学習の中で多く見られます。多すぎる苦痛を感じる必要はありません。程良い大変さをしっかり継続する事が力に繋がりますから、焦らず基礎をやってみて下さい。

♦基本問題の重要性
今回ご紹介した問題1は、中受算数の仕事算の中では正直、簡単なレベルのものです。しかし、中堅中学より少し下ぐらいまでの学校では、大問2の一行問題にこのレベルが出題される事があります。つまり・・・基本が大切なんです。(笑)
また、仕事算を理解するとニュートン算、水量の変化等の問題に強くなれます。特にニュートン算では必須とも言えるでしょう。(簡単に言うと、仕事を減らす人に仕事を増やす人を加えた状況の問題がニュートン算です。)
そして、中受算数では見飽きる程分数が出てきます。分数を得意になって下さい。得意にするには、文章題で練習するのではなく、計算問題を多くこなすのが良いですね。目的をもって各問題に取り組んでみましょう。

♦できなくてもへこまない!!
案外これが1番大事です。(笑)
中受算数に留まらず、中学以降の数学も大切な事は演習量です。理解できる問題の数を増やす事が必ず得点力につながります。
裏を返せば、知らない問題はできなくて当然なのです。中受算数は特にその傾向が強いです。「また間違えたぁぁ・・・もう嫌だぁぁ・・。」
・・あるあるの場面ですが、間違えたら正しい解き方を練習すれば良いだけなのです。気持ちの切り替えは難しいかもしれませんが、そういう意識で学習ができると良いと思います。中受算数では、段階を守る事、基本を練習する事、へこまない事。そして、それを続ける事が大事です。これらを忘れずに、1つ1つ頑張ってみて下さい。

おわりに

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こちらの記事の監修者

 浅井保(あさい たもつ)
・北海道大学文学部卒
・家庭教師のアルファ 講師部長
・山手中央高等学院 学院長

 
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長、および同社の運営する通信制サポート校・山手中央高等学院の学院長を兼務しながら講師として指導にも従事。