歴史の覚え方 「線」で覚える|中学生/社会科

勉強方法

「歴史は苦手」という人は少なくありません。その理由の1つとして挙げられるのが「覚えることが多すぎて無理」というもの。確かに、歴史は覚えることがたくさんあります。その1つ1つをバラバラに(「点」で)頭に入れようとしても、なかなか上手くいきませんね。
歴史を勉強していく上で大事なのは、「関連事項をまとめて覚える」こと。つまり、「線」で覚えるということです。
歴史上の出来事はそれだけで完結することはなく、その影響が何か別の出来事に繋がっていることが多いのです。だからこそ、まとめて覚えてしまえば忘れにくいという利点もありますよ。

ここでは、元寇(蒙古襲来ともいう)から室町幕府が出来るまでの流れをご紹介します。

目次

元寇から室町幕府が出来るまで

(1)1274年と1281年に元軍が九州北部に襲来。これに対し日本は、当時の執権北条時宗のもと、御家人たちが集結して応戦しました。日本軍は苦戦を強いられますが、2回とも暴風雨に遭ったため元軍は撤退しました。これが元寇です。

(2)当時の幕府と御家人は、「御恩と奉公」による封建制度で結ばれていました。しかし、元寇では「元の攻撃から日本を守った」だけで、何も手にしていない幕府は御家人たちに十分な恩賞をあげることができませんでした。これにより、御家人たちの生活が苦しくなります。

(3)そこで幕府は1297年、御家人たちの救済を目的として徳政令を出します。実は徳政令は、このあと何度か出されているので、この1297年のものを「永仁の徳政令」といいます。

(4)徳政令は簡単に言えば借金を帳消しにするものなので、御家人の生活は改善するかと思いきや、ますます悪化してしまいます。なぜなら、一時的に借金が無くなっても生活していくために新たな借金をしなくてはならないからです。ところが、その借金ができなくなったのです。お金を貸す人の立場になって考えるとすぐ分かりますね。お金を貸しても、徳政令を出されてしまってはそのお金は返ってこないので丸々損してしまうわけですね。

(5)生活が苦しくなった御家人たちは、幕府への不満を募らせていきます。そして、ついに倒幕運動へと発展します。このときの御家人のリーダーが足利尊氏です。さらに、この流れに便乗した人物がいます。それが後醍醐天皇です。元々、政治は朝廷が行っていたのですが、武士の台頭でその力は衰えていました。そこで、この機を逃すまいと参戦してきたのです。

(6)こうした動きの中、1333年ついに鎌倉幕府は滅亡してしまいました。

(7)幕府を倒したあとの1334年、後醍醐天皇は早速政治を開始します(建武の新政)。

(8)建武の新政は天皇中心の政治だったため、当然ながら武士たちから反感を買ってしまいます。このためわずか2年でこの政治は終わりを迎え、後醍醐天皇は吉野(奈良県)に逃れました。

(9)そこで、足利尊氏は新たな天皇(光明天皇)を立て、自らを征夷大将軍に任命させます。そして、室町幕府を開きました。

年表で整理すると…

いかがでしょうか?元寇からここまでの流れができてしまうのです。年表で整理すると…

1274  文永の役
1281  弘安の役 ※文永の役と弘安の役を合わせて「元寇」という
1297  永仁の徳政令
1333  鎌倉幕府滅亡
1334  建武の新政
1336  後醍醐天皇が吉野に逃れる
1338  足利尊氏が征夷大将軍に任命される(室町幕府を開く)

歴史では並べ替えの問題も多く出題されるので、年号を正確に覚えきれなくても、順番は把握出来ると思います。これからの歴史の勉強の参考にされてみてください。

おわりに

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こちらの記事の監修者

浅井保(あさい たもつ)

  • ・北海道大学文学部卒
  • ・家庭教師のアルファ 講師部長

2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。