目次
ポイント(1)
先ほど前述したとおり、連立方程式の解き方には2種類のバリエーションがあると述べました。
その二つの解き方とは①加減法、②代入法、という方法です。
①加減法というのは、加法と減法という意味ですが、先ほども述べました通り、加法とは足し算の計算をすることであり、減法とは引き算の計算をすること、ということになります。つまり、①加減法というのは、足し算をしたり、引き算をしたりして、連立方程式を解いていく方法ということになります。
②の代入法は、XやYの値、また、文字を含んだ式を他の式に当てはめて(取り替えて)計算していくということになります。
①加減法も、②代入法も、これらの説明だけではわかりにくいと思いますので、この後、より詳しく二つの方法を解説していこうと思います。
ポイント(2)加減法の実際
そもそも、なぜ連立方程式という名前が付いているのか、ちょっと気になりませんか?
政治の世界でも、連立政権、なぁんて言われたりもしてますしね。
連立というのは、性質の違う別々のものが一緒になって成り立っているもの、という意味ですが、
連立方程式の連立というのは、同時に成立する二つ以上の方程式のこと、ということになります。
つまり、連立方程式を解くということは、2本(たまに3本だったりする時もある。)の方程式を使って、XとYの値(答え)を求めていく、ということになります。これが連立方程式なんです。
前置きが長くなりましたが、さっそく加減法の実際のやり方を見ていくことに致しましょう。
加減法で解いていくためには、まず、式を整理していく必要があります。
整理とっても簡単な事です。
まず、2本の式が並んでいます。
そして、上の式から一本ずつ確認しましょう。最初に確認するのは=(イコール)の位置です。そして、イコールの左側(左辺といいます。)にはXやYの文字類、そして、イコールの右側(右辺といいます)には数字のみがあることを確認します。
この状態を私は独自に「基本の式の形」と呼んで教えています。まずこの「基本の式の形」になっているかどうかを確認するところから始まります。もし、「基本の式の形」になっていない場合は、数字や文字を移項させて、「基本の式の形」になるように準備する、ということが最初に行う作業になります。
例えばこんな感じです。
2x+2y=4
4x-2y=6
この2つの式は左辺に文字類、右辺に数字のみという「基本の式の形」になっていますよね?まずこうなっているかどうかを確認すると言うことです。
次にこれを見てみましょう
-3x+5=2y
2x+5y=5
この場合、1つ目の式を見たときに文字類である2yが右辺にあり、数字のみの+5が左辺にるということで、「基本の式の形」になっていないことがわかると思います。
このままでは、加減法を使って計算をすることができないので、移項という作業を行って「基本の式の形」にする必要性がでてきます。
では移項をして「基本の式の形」にしてみますよ~
-3x+5=2y
↓
-3x-2y=-5
このように+5を左辺から右辺へ移行させることにより、「基本の式の形」にすることができましたね?このように作業を行って、「基本式の式の形」にそろえるというのが最初に行う作業ということになります。
移項するときは符号(+と-)が変わることを忘れずに行って下さいね。
もう一点注意事項があります。左辺を「基本の形の式」にそろえるときは、最初にx、そして次にyという順番に成っていることも大切ですので忘れないで下さい。
つまり
7x+4y=5これは「基本の形の式」になっています。
2y+3x=8これはyとxが逆なので
3x+2y=8というふうに直す必要があると言うことです。ここまで良いかな?
さて次に行うことは、二つの式のxとyの係数の確認です。係数というのはxやyの文字の前についている数字の部分の事です。
つまり3xと書いてあったら、xの係数は3ということになります。
話を戻しますが、
例えば、
2x+2y=4
4x+2y=6
この二つの式のxとyの係数を見てみましょう
xの係数は+2と+4になってます。
つまりxの二つの係数は異なっているというのがわかると思います。
ではyの係数はどうでしょうか、+2と+2で一致しているのがわかりますね?
実は加減法を使ってい解いていくためには、xもしくはyの係数のどちらかが一致していることが重要で、どちらかが一致していないと連立方程式を解くことが出来ないというわけです。
では次の問題を見てみましょう
2x+2y=4
4x-2y=6
xの係数は+2と+4になってます。
これも先程と同様にxの二つの係数は異なっているというのがわかると思います。
ではyの係数はどうでしょうか、+2と-2で数字は一致していますが、符号(+と-のこと)は一致していないのがわかりますね?
数字は一致しているが符号は一致していない。この場合はどうなのでしょうか?
実は加減法を使ってい解いていく時には、数字さえ合っていれば、+と-で符号が違っていても加減法を使って計算ができるというルールになっています。ですので符号(+と-)は気にせず数字だけをそろえることに集中力を注げば良いということになります。
xかyの数字がそろったら、さっそく「加減法」をやってみることにしましょう。
今回はこの例題を使ってやってみます。
2x+2y=4・・・①
4x+2y=6・・・②
この連立方程式の場合yの係数が+2と+2でそろっています。
今回は+2と+2、どちらも同じ+と+になっています。この場合は引き算をして、+2yと+2yを消すという計算をしていきます。
2x+2y=4・・・①
-)4x+2y=6・・・② (引き算をした場合、下に書かれた式【今回は②の式】の符号がすべて変わります)注
-2x =-2 (足し算をした場合、どちらの式も符号の変更は行われません)
これでyが消えました。
これは+2yと+2yが引き算されて0になり消えたということになります。
計算によって残った-2x=-2
これを1年生の時に習った一次方程式のやり方に沿ってxの値を明らかにしていきます。
まず両辺に-1をかけて符号の処理。
2x=2となります。
そして両辺を2で割って
x=1となってxの値が明らかになりました。次に
2x+2y=4 ・・・①
4x+2y=6 ・・・②
この2本の式のどちらかに、さきほど出したx=1の値を代入して、yの値を求めていくということになります。
どちらの式を選んでも、必ず同じ答えが出るので、どちらの式を使った方が簡単にミスなく出来るかという基準で式を選ぶと良いと思います。
今回は①の方が簡単そうなので、①にx=1を代入してみることにします。
代入するというのは、xの場所に1を代入する。つまりxと1を取り替える。もしくはxを捨てて、その場所に1を入れるということになります。
2×1+2y=4
このようになります。
xのあった場所に1が取り代わっている様子がわかると思います。
このまま計算します。
2+2y=4
2y=4-2
2y=2
y=1
これで
答え
x=1
y=1
となり、xとyの値が求まったので計算終了となります。
これが加減法の基本の解き方になります。
応用編1
では次にこちらを見てみましょう
3x-2y=6 ・・・①
4x-3y=12 ・・・②
まず「基本の式の形」になっているかどうかの確認でしたね?これは大丈夫ですね!
次にxやyの計数がそろっているかどうか!この問題の場合、xの係数もyの係数もバラバラでそろっていません。
さて、どうすれば良いのでしょうか?
この場合は①の式全体に3倍(×3)、そして②の式全体に2倍(×2)をしてあげます。
なぜそんなことをするのかというとですが、ちょっとやってみますよ~
①×3、②×2
9x-6y=18・・・①’
8x-6y=24・・・②’
となってyの係数が-6で一致するからなんです。
このように式全体に何かをかけ算して、xかyの係数をそろえるということをして加減法で解ける形に持っていくということが必要になります。
今回は①×3、②×2をしてyの係数を-6にそろえましたが、
①×4、②×3をしてxの係数を12にそろえてから加減法をするという方法でも良いです。
ただ全体的に大きな数になって計算がやりにくくなったり、ミスするリスクが高まるので、「できるだけ、小さな数でやるにはどちらの文字の係数をそろえた方が良いのか!!」という事を考えて式全体にかけ算するようにしましょう。
さて、計算の続きをやっていきましょう。
今回もyの係数が-6と-6の同符号なので、引き算をしていきます。
つまり、係数が+6+と-6などの異符号だった時は足し算をしていくということになります。
今回は同符号なので引き算です
9x-6y=18・・・①’
-)8x-6y=24・・・②’
x =-6
これを①の3x-2y=6 ・・・①に代入します。
3×(-6)-2y=6
-18-2y=6
-2y=6+18
-2y=24 (両辺に-1をかける)
2y=-24 (両辺を2で割る)
y=-12
答え x=-6、y=-12
となります。
応用編2
次はこんな問題です。
0.6x+0.5y=80・・・①
1/5x+1/2y=40・・・②
みんな大好き(嘘です)、小数と分数の問題です。
小数・分数、できれば避けて通りたい、そんな生徒さんは多いかと思います。
私も小数・分数は嫌いです。でも仲良くなろうと努力はしていますよ(笑)とはいえ、整数が大好きです。(笑)
それなら、みんな整数にしちゃえば良いじゃないですか!?
やりましょう!やりましょう!
どうやればよいのか?
簡単です。
①×10、②×10をすれば①の式も②の式も整数の式にすることが出来ます。
②は分母が5と2なので、これらの最小公倍数を求めて、10になったので10をかけたということになります。
①を10倍したから、同じく②も10倍をしたというわけではありません。たまたま同じ数をかける形になったということなので、そこは間違えないでくださいね。
さて、それぞれ10倍した式を見ていくことにしましょう
6x+5y=800・・・①’
-)2x+5y=400・・・②’ yの係数がそろっているので、このまま引き算で計算しましょう
4x =400
x=100 ②’へ代入
2×100+5y=400
200+5y=400
5y=400-200
5y=200(両辺を5で割る)
y=40
答え
x=100、y=40
となります。
加減法のポイントを再度整理してみることに致しましょう
①基本の形になっているか
②xかyの係数をそろえる
③小数や分数の問題だったら、式全体が整数だけの式になるように何かをかけてあげる。
これらが大切なポイントになると思います。
では、いよいよラスト代入法にいきましょう
代入法の式の形は基本の式の形になっていませんが、そのまま計算していくことになります。
たとえばこんな式です
y=-2x・・・①
x-2y=10・・・②
②は「基本の式の形」ですが、①は「基本の式の形」ではないですね。
しかし先ほど述べたように代入法では基本の式になっていなくても連立方程式の計算が出来てしまうとメリットがあります。
では実際にやってみることにしましょう。
まず基本の式の形になっていない①に着目します。
次に「y」と「-2x」が=(イコール)でつながれているのが見てわかると思います。
つまり、「y」と「-2x」が同じ物ということになります。
なので②の式の「y」のところに「-2x」を代入するというわけです。
言い換えると「y」をすててそこに「-2x」を入れる。
もしくは、「y」と「-2x」を取りかえるということをするわけです。
では実際にやってみましょう
①を②へ代入です。
x-2×(-2x)=10・・・②’
②の「y」が「-2x」と取り代わったのがわかりますか?
では、このまま計算していきましょう
x+4x=10
5x=10(両辺を5で割る)
x=2 ①へ代入
y=-2×2
y=-4
答え
x=2
y=-4
となるわけです。
まとめ
代入法、わかりましたか?
連立方程式、ご理解いただけたでしょうか?
冒頭でも述べましたが、連立方手式は多くのの生徒さんが苦戦する単元のひとつです。
そのような単元をマスターする方法は、反復演習しかありません。「学問に王道なし」です。
しかし逆を言えば、ちゃんと解き方を理解して、問題をガンガン解いていけば、どんな人であろうとマスターできるということ。
とにかくたくさん練習して、どんどん出来るようになってくれることを期待して、本日の授業を終わりたいと思います。
最後まで見て下さりありがとうございました。
連立方程式は多くの中学生がつまづいてしまい、数学を嫌いになってしまうことが多い単元です。このような場合、自分だけで勉強を進めるのには限界があります。
特に数学のような「積み重ね」の科目の場合、マンツーマン指導を通じてじっくりと理解を深めていくことが、単元をマスターする最短の道のりです。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。