目次
「大丈夫です」は、いろいろな意味を持つ
「大丈夫です」という言葉を使う具体的なシチュエーションとしては、
①可能かどうかを聞かれて「可能」と伝えたい場合
②日程や都合を聞かれて「OK」と伝えたい場合
③勧めや提案を断りたい場合
④謝罪に対して「気にしないで」と伝えたい場合
などが挙げられます。
このように「大丈夫です」は、様々な意味合いを持つため、返答が分かりづらく、かえって意思疎通がうまくいかずに迷惑をかけてしまう場合があります。
誤解なくコミュニケーションするためにも、「大丈夫です」の表現についてしっかり学びましょう。
「大丈夫です」は敬語として使える?
「大丈夫です」は、目上の人に対しては、使わない方がいい言葉です。
言葉の響きとしてフランクな印象を与えやすく、人によっては上から目線と捉えられてしまう可能性があります。
敬語で話すことが常識になっているビジネスシーンで使うのも避けた方が無難です。
また「大丈夫です」は、様々な意味を持つため、話の食い違いによって大きなリスクを被る可能性もあります。ビジネスシーンでは、特に使用しない方が良いでしょう。
「大丈夫です」は、敬語やビジネスマナーとしては不適切と言えるでしょう。
「大丈夫です」を肯定の意味で使う場合の敬語表現(言い換え)
「大丈夫です」を一般的に肯定の意味で答えたいシーンでは、「大丈夫です」の代わりに
「はい、問題ございません」
「はい、よろしくお願いします」
で対応できる場合がほとんどです。
それではその他、さまざまなシチュエーションを考えてみましょう。
上司などに体調を聞かれて「平気です」という場合
「全然大丈夫です」ではなく「おかげさまで良くなりました」
と答えると、伝えたい意思がよく分かりますね。
逆に、目上の方に対して「平気ですか?」と聞きたい場合
「大丈夫ですか?」ではなく「いかがでしょうか?」と伺いましょう。
「大丈夫ですか?」は、目上の人に対して軽く聞こえる可能性があります。
目上の方に「(体調など)平気ですか?と尋ねたい時も
「お加減は大丈夫ですか?」ではなく「お加減はいかがでしょうか?」の言い回しでお尋ねしましょう。
また、ビジネスシーンで上司に都合を確認したい場合
「今お時間大丈夫でしょうか?」ではなく「今お時間よろしいでしょうか?」が失礼のない敬語表現になります。
上司の問いかけに対して了承を伝える時は
「はい、大丈夫です」ではなく「はい、承知いたしました」と答えるようにしましょう。
「はい、かしこまりました」の表現になるとさらに丁寧な言い方になります。
「大丈夫です」を否定の意味で使う場合の敬語表現(言い換え)
「大丈夫です」という言葉は、もともとは肯定の意味で使う言葉です。でも最近では、否定の意味で気遣いながら「大丈夫です」と返答する方も増えてきました。
上司や上の方から気遣いを断るときには、「大丈夫です」では、肯定なのか否定なのかが分かりません。この場合「結構でございます」などの敬語にかえることをおすすめします。
具体的に例えば、
「お茶のおかわりはいかがでしょうか?」など
おかわりを進めていただいた時
断る際には
「大丈夫です。ありがとうございます。」ではなく「ありがとうございます。もう十分いただきました」
などこちらの意思がはっきりわかるような言い換えで答えるようにしましょう。
肯定の返事なのか、否定の返事なのか、お相手に誤解がないようにするためにも否定の意味としての「大丈夫です」の答え方はなるべく避けた方が良いでしょう。
おわりに
この記事を読んでいる途中、「そんな畏まった言い方をしなくても…」「フランクな言い方の方が良い時もあるし…」と感じた方も多いかもしれません。
確かに、シーンによっては砕けた敬語の方が、コミュニケーションが円滑に進むときもあります。
しかし、「正しい敬語を使える」ということは、いつの時代もその人にとって大きな武器になります。
どんな立場の人とも自信をもって話せるよう、日頃から正しい言葉遣いを身に着けておきましよう。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。