「わざわざ」を敬語で言うと?|全学年/国語

勉強方法

「お忙しい中わざわざお越しいただきありがとうございます。」…①
「わざわざお越しいただかなくとも,わたくしの方からお伺いいたします。」…②
どちらも同じ「わざわざ」という言葉が使われていますが,何となく感じ方が違いように思う人も少なくないのではないでしょうか。①は,それほど違和感がなく,丁寧な印象を持つ人がい多いと思います。一方で②は,素直に受け止めきれない人が多いと思います。日常会話でも公の場でもたびたび使われる「わざわざ」という言葉。よく使う言葉だからこそ,注意なければいけない言葉の一つです。では,なぜ同じ「わざわざ」にも関わらず印象が変わってしまうのでしょうか。相手に自分の気持ちを伝えるためにはどのような表現を使えばよいのでしょうか。ここでは,「わざわざ」がもつ言葉の意味,そして相手に失礼にならない表現を身に付けていきたいと思います。

知ってましたか?「わざわざ」の2つの意味

「わざわざ」が相手に誤解を与えてしまう原因に,2つの意味をもつことばである,ということが関係していると思われます。「わざわざ」の一つ目の意味は『そのためだけに,特に行うこと』『特別に』『とりたてて』などです。2つ目の意味として『ことさらに』『故意に』『わざと』などがあります。前者の意味で使うと,相手への感謝や労いの気持ちを伝えることができますが,後者は相手に対して苦言を呈したり,嫌味に取られてしまうことがあります。

「わざわざ」が使えるシチュエーション

「わざわざ」が相手に失礼にならないのは,相手が自分のために,またはそのこととのためだけに,特別に何かをしてくれることに対して使い場合です。具体的には,
【表現①:今日はお忙しい中わざわざお越しいただきありがとうございます。】
【表現②:先日はわざわざご連絡をいただき,ありがとうございました。】
【表現③:遠方までわざわざすみません。】
などです。いずれの表現も「わざわざ」の前後に気を付けることで,相手への感謝や労いの気持ちを伝えることができます。

「わざわざ」が使えない(使わない方が良い)シチュエーション

「わざわざ」の使用を控えた方が無難なのは,相手に断りを入れる場合や自分の行為に対して使う場合です。具体的には,
【表現④:わざわざお越しいただかなくとも,わたくしの方からお伺いいたします。】
【表現⑤:社内のスタッフに伝えていただければ,わざわざ私に連絡いただかなくても結構です。】
【表現⑥:詳細を確認するため,わざわざ現場まで行ってきました。】
などです。表現④,⑤は,相手に「してもらっても迷惑です」という否定的な気持ちを伝えてしまうことにもなりかねません。また表現⑥は「自分は苦労してここまでやった」という気持ちが強調されてしまい,相手に敬意を伝えるどころか,逆に自分への感謝を求めているように伝わってしまいます。

「わざわざ」を使わずに表現する

表現④~⑥を「わざわざ」を使わずに言い換えてみましょう。
【表現④:わざわざお越しいただかなくとも,わたくしの方からお伺いいたします。】

【表現❹:〇〇でお待ちいただければ,わたくしの方からお伺いいたします。お気遣いいただきありがとうござ
     います。】

【表現⑤:社内のスタッフに伝えていただければ,わざわざ私に連絡いただかなくても結構です。】

【表現❺:社内のスタッフに伝えていたければ,私への連絡は必要ございません。】

【表現⑥:詳細を確認するため,わざわざ現場まで行ってきました。】

【表現❻:別件で近くまで行く機会があったもので,現地に立ち寄ってきました。】

「わざわざ」の類語

「わざわざ」と同様に,使い方や使う場面,その前後の内容に気を付けることが必要になりますが,「わざわざ」を使わずに,以下のように他の表現に言い換えてしまうことも可能です。
①「せっかく」
【例:せっかくお越しいただいたのに,留守にしており申しわけありませんでした。】
②「ご丁寧に」「お忙しいところ」
【例:ご丁寧に折り返しの連絡をいただき,ありがとうございます。】
【例:お忙しいところお気遣いいただき,ありがとうございます。】

まとめ

言葉の使い方や使う場面によって自分の思いとは真逆の印象を相手に与えてしまうことがよくあります。言葉の裏にある本意をくみ取ることが日本語の美しさです。同時に,伝える側も受け取る側もお互いの心をくみ取ることで円滑なコミュニケーションんが図れます。誤解を与えることなく自分の思いや気持ちを伝えるためにも,正しい言葉を使いましょう。
ここで扱った「わざわざ」という言葉は,本当によく使う言葉です。相手への感謝や労いを伝えるときにはビジネスシーンでも敬語として使えますが,断りの場面や自分の行為に対して使うと嫌味に受け取られかねない場合があります。注意して使っていきましょう。また,他の言葉でも同様のことが言えます。表現に困ったときは,思い切ってその言葉を捨て,違う言葉に言い換えたりするテクニックも取り入れながら,語彙力を高めていきましょう。日本語には同じ内容を表現する言葉がたくさんあります。その中でも敬語は,使い方や使う相手,使う場面によって注意が必要な表現です。あまりに丁寧すぎると嫌味に捉えられてしまうこともありますし,使わなすぎるとそれもまた不信感につながることがあります。
会話は話し手の意図が聞き手に伝わりやすいですが,文書やメールでは文面だけが受け取られてしまいますので,相手との関係や距離感を意識して敬語を使う必要があります。正しい敬語を正しく使えるように,様々な敬語に触れてみましょう。そして,実際に使ってみましょう。「習うより,慣れろ」が敬語マスターへの一番の近道です。

学校で敬語を学問的に習うのは「国語」の時間です。「国語」はすべての学習の基礎となります。美しい日本語を正しく使える人になるためにも,「国語」の学習は大切です。
しかし,「国語はちょっと…」「国語,嫌い」「国語って難しい」と感じている人が多いのも確かです。ところが,コツさえつかめば,メキメキと力が付き,ぐんぐん成績アップが期待できるのも「国語」です。

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