目次
まずは共通因数を見つけ出す
では、因数分解はどのように行ったらよいでしょうか。5x²+10xで考えてみましょう。
これらは5x×xと5x×2ですから、5xが共通しています(これを共通因数といいます)。
したがって、分配法則を利用して5xを前に出してあげて、5x(x+2)となります。このような操作を「くくりだし」と言います。
分配法則は覚えていらっしゃいますか。この場合、くくりだされている5xを、かっこの中のxと2それぞれに5xをかけてあげることです。
そうすると、5x×xと5x×2となって、もとの5x²+10xになります。
足してaかけてb
では、x²×5x×6だったらどうでしょうか。この場合、公式を使って解きましょう。
①:x²×(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)です。
この場合は足して5・掛けて6になる数を探してaとbに入れます。見つかりましたか? 2と3です。したがって、(x+2)(x+3)になります。x²の頭の数が1なので、まず(x+〇)(x+〇)となります。
では、2x²+10x+12だったらどうでしょうか。因数分解をする場合、共通因数をまず探します。この式では、2×x²と2×5xと2×6と2が共通因数となっています。
したがって全体を2でくくってあげて2(x²+5x+6)となり、さっきと同様に因数分解をして2(x+2)(x+3)となります。
公式を利用しよう
公式を使って簡単に因数分解できるものもあります。
②:a²+2ab+b²=(a+b)²
③:a²-2ab+b²=(a-b)²
④a²-b²=(a+b)(a-b)などです。
②と③は①の足して5・掛けて6と同じ原理ですので無理に覚えなくても大丈夫ですが、④:は重宝するので覚えておきましょう。
まず共通因数を探しあったらくくってあげる、次に②③④で使えるものがないか探してみる、できなければ次に①ではどうかという手順です。
②の例:x²+4x+4=(x+q)²
③の例:x²-8x+16=(x-4)²
④の例:x²-36=(x+6)(x-6)
置き換えて解く
例えばこんな問題です。
a(x-2)―b(x-2)
このような場合、x-2を何かの文字に置き換えてあげると解きやすいです。
x-2=Mとおくと、
aM-bM=M(a-b)
Mを戻すと
(x-2)(a―b)
となります。
たすき掛け
最後にたすき掛けと呼ばれる解き方をご紹介します。x2の頭に数字がついているときに使います。
たとえば、12x²-7x+1などです。この場合、3つの項に共通因数がないのでx²の頭の12が残ってしまいます。
下に図を描くので見ていただきたいのですが、たすき掛けのやり方は、左にxにかかっている頭の数を2つ縦に書いて、真ん中の列に右側の項になる数を書いてあげて、右側にそれらを斜め同士で掛けてあげた数を書きます。
そして左側の列の下に上の2つの数を掛け合わせた数字、真ん中の列の下に上の二つを掛け合わせた数字、右側の列の下に足し合わせた合計を書きます。このようになります。
3 -1 -4x
4 -1 -3x
12x2+1 -7x
したがって(3x-1)(4x-1)になります。
では35x²+31x+6はどうでしょうか。以下のようになります。
5 3 21x
7 2 10x
35x² 6 31x
したがって、(5x+3)(7x+2)になります。
因数分解の解き方まとめ
①まずは共通因数がないか探す
②足してaかけてbの組み合わせを探す
③公式を利用できるときは利用しよう
以上になります。数学は知識を手に入れるだけでなく、実際に問題を解いてみることが非常に大切です。どんどん問題を解いてみましょう。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。