目次
「お体に気をつけて」と「体調に気をつけて」の違い
「お体に気をつけて」と「体調に気をつけて」の違いはないですが、体と体調は少し違う意味になります。
体は全身のことを表し、肉体的な意味が強いです。一方、体調は体の調子のことをいい、体のコンディションを主にさしています。そのため、精神的な部分も体調には含まれていると考えていいと思います。
しかし、「お体に気をつけて」と「体調にきをつけて」のどちらも相手の体調を気遣う言葉に変わりはありません。
「お体に気をつけて」という表現を使う時
「体に気をつけて」と言いたい場合、敬語にするといくつかの言い回しがありますが、「気をつけて」という言葉に注目してみていきます。
①「お体にお気をつけください」
②「お体にお気をつけてください」
どちらが正しい表現でしょうか。どちらもさほど変わらないように見えますが、①の「お体にお気をつけください」が正解です。
「気をつけて」という言葉は「気をつける」という一つの単語の語尾が変化したものであり、つまり元となる言葉は「気をつけ」です。活用するのは最後の文字「る」の部分というわけです。したがって「気をつけ」+「ください」となり、「お気をつけください」が正しい表現なのです。
では、次の表現は正しいでしょうか。
「お体にお気をつけてお過ごしください」
これは正解です。「気をつける」と「過ごす」がそれぞれ独立した動詞であるため、繋げると「気をつけてお過ごしください」となります。この時の「て」は2つの動作を並列する役割があります。
目上の人に「お体に気をつけて」を使用する時の注意点
目上の人に「お体に気をつけて」を使用する際に注意すべき点は、そのまま使用すると命令口調に捉えられてしまう可能性があるので、相手が不快に受け取らないよう「お体に気を付けてください」などより丁寧な表現にした方が良いです。
また、「お体に気を付けて」という単体の表現で使用するよりも、「お忙しいとは思いますが、体調に気を付けてお過ごしください」など何か言葉を付け足して使用した方がより目上の人を敬った表現になります。
お体に気をつけての類語は?
相手の健康を気遣う表現で、「ご自愛ください」は目上の方に使うことができます。
「自愛」とは「自分のこと(心や体)を気にかけてくださいね」という意味です。
しかし、「ください」は相手への要求や頼みごとの際に使う文末表現と同じなため、当初は押し付けがましい、命令されているようだ、と感じる方が多かったようです。今では手紙の結びで「ご自愛ください」という定型句として用いられることから、相手がどんな人でも使える表現とされています。
より丁寧に表現するなら「くれぐれもご自愛くださいませ」と文末に「ませ」をつけるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
遠く離れたおじいちゃん、おばあちゃんやお世話になった方などに、久しぶりに体を気遣う手紙やメールを送ってみてはどうでしょうか。
相手の体調を気遣う表現を理解して使えると、より人間関係が円滑になります。ぜひ使ってみてくださいね。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。