幼児期に学習習慣をつける重要性
子どもの「できたを増やす」ためには?

こどもの教育 家庭教師について

こちらの記事では、小学校に上がる前(幼児期)に学習習慣を付けることの大切さについて、『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師が解説しています。
・幼児教育を始めることを検討されている方
・お子さんに学習習慣を付けたい方
・家庭教師を始めることを考えられている方
などは、ぜひご一読ください。

目次

はじめに

小学校に入る前の子供に、毎日の学習習慣をつけるのは、あまり重要ではないと考える方が多いかもしれません。
「習慣にはなっていないけれど、たまにお勉強しているからそれで十分では?」
と思う保護者さまもいらっしゃるでしょう。
もちろん、そのようなお考えを否定するつもりはありません。

ただ、幼児期に定期的な学習習慣を付け、「知る楽しさ」を覚えておくと、その後の学生生活における「勉強への抵抗感」が薄くなります。
つまり、小学校入学後の学校生活、ひいては人生において、大きなメリットとなり得るのです。

では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
あまり先のことをお話してもなかなかイメージし辛いかと思いますので、ここからは「小学校の宿題への対策」というポイントに絞ってご説明しようと思います。

小学校の宿題への対策


小学生にあがると、宿題が必ず日課になります。
早い学校だと、入学して早々に簡単な宿題が出されます。
まずは簡単な音読などの宿題から、次に書き取りなどが追加され、更に計算ドリル、プリント、日記など…宿題はどんどん増えていきます。ひとつひとつの量はそれほど多くありませんが、種類の多さにびっくりする保護者もいます。

慣れない学校生活でへとへとになっているのに、おうちでもまだ宿題をしなければいけない…と、苦しむお子さんも多いです。
それに向き合う保護者さまも苦労します。心配から、「宿題やった?終わったの?」と繰り返し声をかけでも、子供のモチベーションはあまり上がりません。
それどころか、「やりたくない!」「もう疲れた!!」と喧嘩になってしまうこともあります。こうなってしまうと、ますます勉強へのイメージが悪くなり、宿題は保護者にとっても子供にとっても「毎日の苦痛の時間」として定着してしまうのです。
これが数年続く…と考えると、入学前に毎日の学習習慣をつけておくことがとても重要ということが、ご理解いただけると思います。
では、具体的にどうやって学習習慣をつければよいのでしょうか。

家庭教師の宿題の出し方


保護者さまと一緒にすでにお勉強をしたことがあるお子さんでも、それを毎日の日課にするのはなかなかたいへんです。
幼児の学習には基本的に保護者のフォローが必須です。しかし、その中で喧嘩になってしまうことも少なくなりません。
家庭教師は、保護者とは違う立場、目線で子供と学習することが可能です。

私の場合、勉強を始めたばかりの子供には、最初は「次先生がくるまでに、やってくれると嬉しいな」と言って、プリントを一枚程度渡すことにしています。
一週間後、もしプリントができていたら、正解率・達成率にかかわらず「うれしい!ありがとう!!」と褒めます。逆に全くできなかった場合は、責めずに「忙しかったかな?」「難しかった?」と理由を聞いて、宿題の出し方を改善します。

改善として主に①量の調節②レベル設定③範囲のわかりやすさ④声掛けの仕方
をもう一度考え直します

①量の調節
まずは一枚から、それができたらもう一枚増やす…といったように、スモールステップを心がけます。また、習い事や用事、イベントなどご家庭にはたくさんの予定があります。事前にそういったことを保護者と打ち合わせをして、その都度宿題の量を調節します。

②レベル設定
できるだけ、その日の指導でやった学習を復習できるような内容の宿題を出すようにします。
難しすぎない、簡単すぎない、できるだけひとりで出来る適切なレベルを選ぶことも意識しています。
時折、モチベーションアップのためにあえて簡単な内容を混ぜて出すこともあります。

③範囲のわかりやすさ
宿題ができなかった理由に、「プリントをなくしてしまった」「どこをやればいいかわからなかった」という場合があります。幼児に宿題の管理する、範囲を把握することは難しいので、週間学習計画表以外に、プリントに名前と日付を書いたり、テキストに付箋をつけたりしています。
なにを・どこをやればいいのかを保護者にも子供にもわかりやすく提示するようにしています。
宿題用のクリアファイルを用意してもらい、そこに入れて渡すということもしています。

④声掛けのしかた
宿題を出すときは、「やってくれたら先生うれしいな」と強制ではなく「お願い」に感じるような言葉選びをします。そして宿題ができたら「ありがとう!」と内容にかかわらず宿題に取り組んだことを褒めます。
宿題達成が何週か続けられたら、「〇〇くん/ちゃんがいつも宿題をやってくれるから、先生うれしいな、丸つけ楽しいな」と言うこともあります。こういった声掛けを繰り返すことで、宿題をすると先生がよろこぶのだな、と子供が感じるようになり、宿題の継続・習慣化につながります。

習慣化した例・できたを増やす

ひとりひとりのお子さま合わせ宿題の出し方を工夫することで、宿題が次第に習慣化していきます。
当時年中さんだった生徒さん(Aくん)は、当初学習習慣がなく、宿題も全く手つかず…ということが続きました。
その中で、前述したような改善を繰り返し行い、根気強く声掛けをした結果、年長さんになった現在では宿題を毎週ほぼすべてできるようになりました。
保護者の協力ももちろんありますが、保護者曰く毎日10分程度、勉強をすることが習慣になったとのことです。
Aくんに、「宿題ができた!」という達成感が続くことで、よい循環が生まれたようです。今週もがんばったね、ありがとう!というと、Aくんはとても誇らしげな顔をします。
おそらくこのAくんは、来年小学生になったときに、宿題でつらい思いをすることはあまりないと思います。

学習を習慣化することで、小学校への宿題対策の他にも、自信や自主性を育むことができます。
「まだ早いかも」「毎日はやりすぎでは」などと一蹴せず、ぜひ積極的に幼児期の学習習慣をつける重要性について考えていただけたら、と思います。

おわりに

さて、私たち家庭教師のアルファは、「教育を通じて社会のできたを増やす」をミッションとして掲げ、これまで15年以上、35,000人を超えるお子さまの学習をサポートしてまいりました。
今、教育のことでお困りであれば、まずはアルファにご相談ください。
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こちらの記事の監修者

 浅井保(あさい たもつ)
・北海道大学文学部卒
・家庭教師のアルファ 講師部長
・山手中央高等学院 学院長

 
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長、および同社の運営する通信制サポート校・山手中央高等学院の学院長を兼務しながら講師として指導にも従事。