文章嫌いの小学生に行った、プロ家庭教師の読解指導とは? 

勉強コラム

こちらの記事では、文章を読むことが苦手で国語の点数が伸び悩んでいた生徒さんに、アルファのプロ家庭教師がどのような指導を行ったのかをご紹介しています。
・文章問題が苦手な方
・テストの点が伸び悩んでいる方
・家庭教師を始めようか悩まれている方
などにとって、こちらの記事が少しでもヒントになれば幸いです。

~こちらの記事は、"できたを増やす"家庭教師のアルファがお届けしています~

目次

じっくりと文章を読むのが苦手な生徒さん


小学3年の2月に指導がスタートした男の子のお話しです。
この生徒さんは小中高を併設する名門私立に通われています。
小学校から中学校へは全体の1~2割が校内テストの成績によってふるい落とされ中学校へ進学出来ません。

頭の回転・暗記カは優れていて、算理社では高い得点を挙げていますが、唯一国語の文章読解に難があり、ご両親もこの点を心配されており、文章読解をメインに指導させて頂くことになりました。
やや気の短い面があり、落ち着いてじっくりと文章を読むことが苦手です。必然として読解の設問への取り組みがせっかちで、よく考えることがなかなか出来ませんでした。
指導をスタートしてみると文章を読むのが嫌いと言う面はあると思いますが、どうしても手遊びが多く、いわゆる多動状態がなかなか改善されません。
文章を読み始めるまでにかなりの時間かかる状況でした。

そこで・・

プロ家庭教師の対応①~まず話をする~


いきなり問題に入るのではなく、机の周りや本棚に置いてあるものから興味のありそうな話題を探り5分程度お話しすることを心掛けました。
彼はハトが好きで(写真がたくさん貼ってあった)「先生にハトの種類を教えてくれ」などと話しかけ、しばらくハトで盛り上がってから指導に入りました。

プロ家庭教師の対応②~問題を解かせる前に文章の内容に興味を持てるようにする~

この学校では中高で外部生が受験で入学してきます。
人気校だけに受験生のレベルは高く、ご両親も「中学進学後に困らないよう今のうちに力をつけさせたい」とのご意向で、5年生からはハイレベルの受験用国語テキストを使って指導に当たることになりました。
文章の難易度は高く、いきなり読ませると厳しい面もあります。まず、私が先に文章を読み難読熟語や意味が難しい言葉に赤で注釈を入れ、設問にはヒントをくわえました。

また(ここが肝心なのですが)、文の内容に関してお話しをしてから読ませることを心掛けました。一例を挙げると、「妖怪」がテーマの文章を扱うさい、「日本の妖怪をどれだけ知っている?一つ目小僧、砂かけばばあ、ぬりかべ・・」対して彼は「日本の妖怪はダサい!やっぱりドラキュラ、アインシュタイン(フランケンシュタインと間違えている。まあ、あの頭脳は一種の妖怪とも言えますが・・😄)だよ!」「ダハハハハ」。
辛抱強く続けていくうちに、難しい言い回しや意味のはっきりしない言葉を質問するようになっていきました。

プロ家庭教師の対応③~具体的に解法を教える~


①②を繰り返すうちに、取り掛かりはなかなかスムーズとはいかないまでも、一旦文を読み始めるとかなり集中力が保たれるように変わってきました。
もともと思考カは優れているだけに、記号選択や書き抜きの問題には強く、たまに記号で間違えると「うーん、僕はこう考えて選んだんだけど・・」と思考の過程を解説してくれるような姿勢も出てきました。

やはり問題は記述です。彼は「文章のここらへんを書けば0K」という着眼点はおおむね正しいのですが、当初は解答の書き方が「当該箇所をそのまま写す」ことしか出来ず、いわゆる「答案メイク」に難がありました。

・複数の文をうまくつなげる。離れた箇所の文をつなげることも時には必要。
・文末を設問の要求通りに整える。
・字数を意識する。字数制限のない問題は「解答欄の大きさ」に注目する。表現を削ってスリムにしたり、逆にちょっとした言葉を付け加えたりして字数を整える。
・自分の考えや登場人物の心情を表すコトバをひねり出す。

以上を実際に私が模範を示し取り組んでいきました。
彼は「写すだけじゃ駄目なんだ」ということをよく理解し、時には私が感服するような解答を書けるようになりました。
私が褒めちぎると、彼も満更ではない笑顔を見せるようになり、「できたを増やす」ことは勉強に関しては最強と痛感しています。
無論、テキストのレベルが高いだけに、上手くいかないことも多々ありますが、以前と比べると格段の進歩が見られ、徐々に学校の実力テストでも成果が上がっています。

最後に・・・

文章読解は他の科目と違い「あー勉強」と捉えてはいけません。文章を楽しく読めて文章の中に入り込むことが出来れば、設問に解答していくことが飛躍的に易しくなります。
そもそも、問題文として使われる文章は問題作成者が厳選して上梓しているものです。特に小学生用の問題文は作成者が考えに考えて、選びに選んで載せていると言って良いでしょう。

文のどこかにハッとするような素敵な表現や難解なテーマを分かりやすく読ませるといった工夫が必ずあります。要するに「面白い」のです。
繰り返しますが、国語の文章読解は単なる「勉強」と思わずに、パソコンて動画を見るのと同じという心境になれたら、あなたは「文章マスター」になれる!

こちらの記事の監修者

 浅井保(あさい たもつ)
・北海道大学文学部卒
・家庭教師のアルファ 講師部長
・山手中央高等学院 学院長

 
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長、および同社の運営する通信制サポート校・山手中央高等学院の学院長を兼務しながら講師として指導にも従事。