読書感想文の書き方とは|国語/全学年

勉強コラム

読書感想文といえば、夏休みの恒例行事です。
誰もが経験していると思います。
本を読むのが面倒に感じている人も少なくないでしょうし、あらすじだけわかればいいや、なんて全部を読まずに感想文を書いたり、なんて人もいると思います。
旅行は、今まで見たことのない景色や文化を感じ、自分の価値観や物事の見方によい影響を与えてくれると感じていますが、読書も同じような効果があると思います。
読書はいいけれど、実際、読書感想文を書くとなると億劫に思う人もいるかもしれません。
でも、読書感想文の構成を把握しておけばかなり書きやすくなります。
ここでは、その構成について解説していきます。

目次

読書感想文の構成

読書感想文は4つのブロックに分けると書きやすいかと思います。
その4つのブロックとは
1:その本を選んだいきさつ
2:その本のあらすじ
3:感想
4:まとめ
です。どんなことを書くか1つずつ見ていきましょう。

構成①:その本を選んだいきさつ(全体の1割程度)


最初は、読書感想文を書こうと選んだ本について、なぜそれを選んだかを書いていきます。

ここはそこまで長く書くところではありません。
目安としては全体の1割くらいでしょうか。
内容としては、

「課題図書の中で題名から面白そうだと思った」
「好きな作家であり、その中からまだ読んでいない本を選んだ」
「本屋で探している中で、背表紙の文章を読んだところ興味がわいた」

など、思った通りに書けば大丈夫です。
また、タイトルを見て自分がどのように感じたのかなど、本を読む前の印象を書くのも良いです。
その本の内容や、自分の感想などは別のブロックで書くので、入れないようにしましょう。

構成②:その本のあらすじ(全体の1割程度)

次は、その本の内容を書いていきます。
この読書感想文を読む人に本の内容を伝えるために、いつ、どこで、だれが、どうしたのかを書きましょう。
ここは長く書きがちになりますが、できるだけ簡潔に書き、1と同じくらいの分量で抑えましょう。詳しく書く必要はありません。

例えば、
「大学生の主人公が夏合宿で訪れたペンションで恐ろしい事件が起きる話」
「主人公の医師が研修で様々な科を回っていく過程で、色々な事象に出くわし、経験して成長していく話」
「とある古書店で常連の客とともに日常の謎について議論する話」
などです。

裏表紙に、ストーリーについて興味を引くようにまとめて書いてあるものもあるので、参考にすると良いでしょう。
また、次の本論での印象に残ったシーンを説明するために必要な部分だけ書くのも良いです。

ここでも自分の意見や感情は書かないようにしましょう。次のブロックでたくさん書いてください。

構成③:感想(全体の6~7割程度)


ここが一番分量が多くなるところです。全体で原稿用紙5枚でしたら、3枚は書きたいところです。

前の序論を掘り下げて、ニュースや自分の体験を交えて話を膨らませて書いていきましょう。

感じたままを書けばよいのですが、1つに絞ると書きにくくなります。
何個書いてもいいのです。
その中で一番心に響いたり、自分に影響のあったことは分量を多く書いていくといいと思います。

この本を読んで特に心を動かされたところ(感動した、驚いた、不思議・疑問に思った、初めて知ったなど)を3つくらい取り上げて、どうして気になったのか理由を添えて書きましょう。
本の中から印象に残ったシーンやセリフ・言葉などを引用するときは、カギ括弧「」を用いましょう。
また、登場人物の好き嫌い、日頃目にするニュースや自分の体験から共感できること、読んでいるときの気持ちの変化などを取り上げるのも良いでしょう。

できれば、実体験を織り交ぜられると、最後のブロックも書きやすくなるのでいいです。
例として、「大学生の主人公が夏合宿で訪れたペンションで恐ろしい事件が起きる話」だとしたら、このような感じでしょうか。

「サークルでペンションを借りて過ごすなんて楽しそうだと思った」
「こんな事件が起こったら私はたぶん何もできない、勇気も出ないと思った」
「実際学校で~なことが起こったときに私はなにもできなかった」
「冷静な判断や推理によって最終的に事件が解決してすっきりした」

内容をもっと具体的に書いていくとそれなりの量になっていくかと思います。

構成④:まとめ(全体の1〜2割程度)

最後に、その本を読んだ後にどう生かしていくか、考え方などがどう変わったか書いていきます。
多くても原稿用紙1枚分くらいでおさめましょう。

ここでは、最初の書き出しで述べた読む前の本に対する印象やなぜ選んだのかのいわば答えとなるように、この本全体を通しての自分の感想を書きましょう。
このとき、本を読む前後の気持ちの変化を交えると書きやすいでしょう。
また、この本を読み終えて分かったことや自分の学びになったことを取り上げて、その気づきや学びを今後の自分の人生にどのように生かして、実際にどう行動につなげていきたいかを書けると良いでしょう。

「ちょっと勇気をもって行動してみようと思った」
「どんな時でも冷静でいられるように心がけたい」
「読書の楽しさがわかったのでこの作者のほかの本も読んでみたい」

など、前向きに生かしていくようなことを書くといいです。
感想のところで自分の具体例を書いていない場合、ここで書いてもいいです。

読書感想文を書く時の注意点


①:各文章のおわりの表現は、「です・ます」あるいは「だ・である」のどちらかに、読書感想文全体を通して統一しましょう。
②:作文を書くときと同様に、各段落の頭は一マス空けましょう。
③:清書する前にしっかり準備を行いましょう。

まず、構成①のブロックを別紙にメモしておきましょう。
次に、本を読みながら気になったところに付箋などを貼り、感じたことをメモしていきましょう。
本を読み終わったら、そのときに強く感じたことをメモしておきましょう。

これらのメモをもとにして、構成①〜④に従って下書きとして文章にしてみましょう。
このとき、提出用ではない原稿用紙を使うと文字数が分かって便利です。パソコンやタブレットを使うと、書き間違いや追加などの直しが容易にできます。

最近では、学校から読書感想文を書くためのワークシートが配布されることもあるので、それを活用するのも良いです。

④:最後に、一通り書き終えたら、読み直して大丈夫であれば、ていねいに清書しましょう。

最後に

読書感想文に限らず、作文を書くときは、まず大まかに書く内容を決め、下書きをしましょう。
箇条書きでこんな内容を書く、という程度で構いません。段取りを決めておけば分量的に調整をしやすく、方針も決まるので、書きやすくなります。
読書は疑似体験や知識を付けるにも有効な手段です。この夏はぜひよい一冊にであえますように。