とある自閉症のお子さまが、プロ家庭教師の『できたを増やす』指導でテストを乗り切れるように!

勉強コラム

この記事では、『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師が、とある中学3年生の自閉症の生徒さんを担当したエピソードをご紹介しています。

・何らかの障害を抱えるお子さまを持つ保護者さま
・子どもの勉強の遅れ・つまずきについてお悩みの方
・家庭教師を検討されている方

などにとって、この記事でご紹介するエピソードが、少しでもお子さまの「できたを増やす」ヒントとなりましたら幸いです。

目次

こだわりが強く、テスト時は極度に緊張してしまう生徒さん


入試まで約1年担当した中学3年生の生徒さんです。
最初は自閉症の傾向があるとは伺っておりませんでした。
何度か指導に入る中で、お母さまからそっと話していただけました。
指導時は自閉傾向が何かあるわけでなく、至ってスムーズに指導できていました。

ひとつ気になっていたのはこだわりが強いことです。
自分で決めたことが一番良いとし、それを通そうとするところが多いように感じていました。

たとえば、自分で勉強時間を決めその通り行動すること、教科での暗記の仕方や直しの仕方にそれが表れていました。
一見よさそうですが、

・夜型になっている
・やり切るまで次の日のことを考えず起きている
・よりスムーズな覚え方や直し方を聞いてはくれるものの、やはり自分のやり方にこだわってしまう

など、細かく見ていくと問題のある勉強の仕方をしていました。
また、テストになると極度に緊張が現れてしまう生徒さんでした。
テスト中に「良い点がとれなかったらどうしよう」と思い始めると、心臓がバクバクして手に取るもの手につかなくなるようで、よくテスト中にトイレに逃げ込んでいたこともあるようです。
このことはお母さまから話していただき聞けて良かったです。ご本人とも話しができどうにかしたいという思いも伝わってきました。

プロ家庭教師の対応①
~こだわりは無理に変えない~


私の取った対応として、ひとつはそのこだわりを認め無理に変えないことでした。
生徒さんからすると、

「あれ?この先生は無理に変えろと言わないな」
「やりやすいようにさせてくれるな」

となり、自分のこともいっぱい話して聞かせてくれましたし、私の話も聞いてくれ信頼を築き上げていけたと思います。

こだわりが強い分、今まで力を入れ取り組んだことのなかったものは、その必要性とやり方を教えると、初めて知ったやり方としてそれをしっかり自分のものにできると考えました。

その結果が如実に表れたのが、英単語を覚えることや歴史の年表暗記です。
年表は教科書に綴じてある付録をそのまま覚えていました。年代順に覚えるよりもその表を全体でとらえ表のどのあたりにどんな出来事があったかを位置イメージで覚えていくことができました。

プロ家庭教師の対応②
~生活習慣を変える~

生徒さんとの信頼関係ができてきたところで、今度は少しずつ生徒さんの行動を変えていくようにしました。
入試に向けては、強すぎるこだわりと緊張はどうしても不利になります。
そこで、お母さまとも相談し、ご本人に丁寧に話しながら優先して取り組む方法を考えました。

まず勉強時間ですが、これは入試本番にもっとも力を発揮できる勉強リズムに変えていくようにしました。
実際の入試は午前からあり、朝起きてから2時間後くらいに一番頭が働くようになっていれば、問題に行き詰まったり、いつもよりひらめきやできる問題が増えます。

このことをご本人とお母さまに伝え、朝型のスケジュールを作りました。
具体的には、
・朝は学校へ行く前に外をランニングしすっきり目覚めること(部活も引退し体力を維持する理由にもなりました)
・一つなにかの教科を勉強してから学校に行くこと
などを生徒さんと約束しました。

このやり方がばっちりはまり、以降入試までしっかり取り組んでくれました。

プロ家庭教師の対応③
~”問題を解く順番”で、「できた!」を増やす~


テスト時の緊張感の緩和には、「自分は解ける」という自信を持たせてあげることが必要です。そのために、まずは”問題を解く順番”を意識することを伝えました。

例えば国語では、時間が足りなくなってしまうのを避けるため、最初に漢字などの知識問題を済ませ、次に得意な古文漢文から解く。
また数学では、問題に詰まったとき「これが解けなかったらどうしよう」と自分を追い込んでしまう癖がありましたので、少し考えて解けないものは思い切って飛ばし、出来る問題から取り組む方法を伝え実行してもらいました。

テストで実力が発揮できるように!

結果として、「先生の言う通りやってみてうまくいった」と感じてもらうことができました。このやり方は良い方向となり、実際テストでの緊張はやわらぎ一日5教科テストがあっても最後まで乗り越えられるようになりました。

こだわりが強くやってこなかった取り組みを、理由とともにやり方を手本で見せ丁寧に伝え、まずはやってみることで、「できたを増やす」こと。
「やってみればよい結果につながった」ということが次へのモチベーションやお互いの信頼につながるとつくづく感じました。

家庭教師は、お子さまの特性に合わせた最適な対策が可能です!


こちらのエピソードでご紹介したように、プロ家庭教師にはお子さまの個性・特性に合わせた最適な学習サポートが可能です。
一人ひとりのお子さまと深く向き合い、信頼関係を築き、最も効果が出る勉強法を見つけ出します。
今、お子さまの勉強のことでお悩みの方は、ぜひ一度『家庭教師のアルファ』にご相談ください。
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こちらの記事の監修者

 浅井保(あさい たもつ)
・北海道大学文学部卒
・家庭教師のアルファ 講師部長
・山手中央高等学院 学院長

 
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長、および同社の運営する通信制サポート校・山手中央高等学院の学院長を兼務しながら講師として指導にも従事。