上一段活用の解説|中学生/国語

勉強コラム

こちらの記事では、上一段活用について詳しく解説しています。
実際の問題なども記載していますので、ぜひ解いてみてください。

目次

上一段活用とは

動詞は、その言葉によって、いろいろとちがった活用をするものがあります。
活用とは、ある言葉がその下にくる言葉に続くために、その言葉の一部または全部が規則的に変化することをいいます。
動詞の活用の種類を整理すると、次の五つの種類に分けることができます。

五段活用

上一段活用

下一段活用

カ行変格活用

サ行変格活用

この中から今回取り上げるのは上一段活用です。
上一段活用とは、五十音図のイ段を中心にして変化するものです。

動詞の活用を学ぶときには、予備知識として下の
五十音図
について理解しておく必要があります。

 ワ ラ ヤ マ ハ ナ タ サ カ ア
 イ リ イ ミ ヒ ニ チ シ キ イ
 ウ ル ユ ム フ ヌ ツ ス ク ウ
 エ レ エ メ ヘ ネ テ セ ケ エ
 ヲ ロ ヨ モ ホ ノ ト ソ コ オ

この五十音図でたてを「行」といいます。
ア行といえば、アイウエオで、カ行といえば、カキクケコです。
それぞれのたての最初の文字をとって「…行」といいます。

横は、「段」といいます。
ア段といえば、アカサタナハマヤラワです。
イ段といえば、イキシチニヒミイリイです。
段は、ア段、イ段、ウ段、エ段、オ段と合計五つの段からなります。

「落ちる」の場合

それでは、はじめに動詞の「落ちる」を見てみましょう。
活用の種類を調べるだけならば、未然形だけを調べれば十分です。
未然形とは「落ちる」の場合だと、語尾に「ない」を付けた活用のことです。
つまり、「落ちる」+「ない」→「落ない」(これが未然形)になります。
「落ちる」の語尾「ちる」が変化し、「」に変わっています。
通常はこれだけで十分なのですが、ここでは、念のため他の活用形も調べてみましょう。

活用形というのは、規則的に変化したそのいろいろな形を整理したもので、
それにはつぎのように未然形を含めると六種類の名称が付いています。

連用形は、「落ちる 」+「ます」→「落ます」
終止形は、「落ちる
連体形は、「落ちる」+「とき」→「落ちるとき」
仮定形は、「落ちる」+「ば」→「落ちれば」
命令形は、「落ちる」+「ろ」→「落ちる

以上のように、「ち」が中心となった活用を表しています。
ところで、「ち」というのは、タ行でみると、タチツテトの真ん中「ツ(ウ段)」より上一段(イ段)のところの言葉です。
このように真ん中より上一段の言葉(イ段の言葉)を中心にして変化する活用を上一段活用といいます。
よって、「落ちる」はタ行上一段活用となります。

「起きる」の場合

他の動詞を二つほど見てみましょう。
まず、動詞の「起きる」の場合は、「起きる」に「ない」を付けると次のようになります。
「起きる」+「ない」→「起ない」
「起きる」の語尾「きる」が変化し、「」に変わっています。
つまり、「き」が中心となった活用をするということを表しているので、「起きる」はカ行上一段活用ということになります。

「見る」の場合

次に、動詞の「見る」の場合は、「見る」に「ない」を付けると次のようになります。
「見る」+「ない」→「ない」
「見る」は語幹と語尾の区別がありません。
「み」が中心となった活用をするということを表しているので、「見る」はマ行上一段活用ということになります。

確認問題

最後に、これ迄の内容がどのくらい理解できたかを次の確認問題を通してチェックしてみましょう。

確認問題


問1 次のアからオの5つの動詞の中から、上一段活用の動詞をそれぞれ選びなさい。

(1) ア 行く  イ 居る  ウ 得る  エ 騒ぐ  オ 負ける
(2) ア 過ぎる イ 出す  ウ 来る  エ 死ぬ  オ する
(3) ア 出す  イ 取る  ウ 買う  エ 曲げる オ 似る
(4) ア 流れる イ 延びる ウ 立つ  エ 走る  オ 経る
(5) ア 寝る  イ 捨てる ウ 込む  エ 試みる オ 改める

<正解>(1)イ (2)ア (3)オ (4)イ (5)エ


問2 次の活用をする動詞を一つ書きなさい。

 カ行上一段活用

<正解> 起きる