平安仏教は語呂合わせで簡単に覚えられる!|中学生/社会科

勉強コラム

【平安時代の新しい仏教の宗派と、その宗派をひらいた人物を答えよ】
このような問題は中学校の歴史のテストで、よく出題されます。

「あれ、なんだっけ…」
「覚えたつもりだったんだけどな…」
「宗派と人物が結びつかない…」

テスト本番でこのようなことにならないよう、この記事では平安仏教の覚え方について解説します!
語呂合わせで簡単に覚えられますので、もうテストで迷うことはありません!

目次

平安仏教①:天台宗


天台宗は、平安時代初期に最澄(さいちょう・伝教大師)によって創立された宗派です。
天台宗は、「蓮華三昧(れんげざんまい)」と呼ばれる法要を重視し、全ての修行が即身成仏(この世での悟り)を目指すことに繋がっています。
その特徴は以下の通りです。

■歴史的背景

天台宗は、平安時代初期の9世紀に、最澄(伝教大師とも)によって創立されました。
最澄は中国の唐の朝に留学し、中国の密教や天台山の教えを学びました。帰国後、彼は日本における密教の教えを広め、天台宗として整理・体系化しました。
天台宗は、中国の天台山(現在の中国浙江省)を中心に発展した教派であり、最澄は天台山の教えを日本に伝えることで、日本仏教の中に中国の密教を持ち込んだ先駆者として知られています。

■信仰内容

天台宗の中心思想は、「三諦」や「一乗」といった教えに基づいています。
天台宗では、「三諦」として「空諦」「假諦」「中諦」を説き、「一乗」として一つの道を示すという点が特徴です。
空諦は、全てのものが本来的に実体を持たないという教えであり、假諦は現象や事象の仮の姿を指します。
そして中諦は、空諦と假諦を統合し、物事の真実の姿を示すとされます。これらの教えを理解し、実践することで、信者は「一乗」と呼ばれる唯一の真理に至ることができるとされています。

天台宗は、経典の研究や学問を重視します。特に「法華経」や「華厳経」などの経典を重要視し、これらの経典の教えを日本の土壌に合わせて解釈しました。
また、真言宗と同様に真言(マントラ)の修行も行い、霊的な成長を促すとされています。

■修行法

天台宗の修行法は、「台密(だいみつ)」と呼ばれる密教の要素を含みます。
密教的な修行法は、真言や呪文の唱え方を通じて仏や菩薩の力を得ることを目指します。これに加えて、経典の研究や思想の深化を重視する学問的な修行法も存在します。
また、天台宗は山岳修行も重要視します。最澄が比叡山に修行場を創設し、そこを中心に天台宗の教えが広がりました。比叡山は平安時代には天台宗の中心となり、多くの寺院や修行場が建立されました。

■現代の状況

天台宗は平安時代には盛んでしたが、鎌倉時代以降、他の宗派との競争や時代の変化により勢力が低下しました。
しかし、現代でも比叡山などの修行場や寺院が存続し、多くの信者によって信仰されています。
天台宗は、その独自の教えや修行法、学問的なアプローチによって、日本の仏教に深く根付いています。
また、天台宗は他の宗派との交流や相互影響を通じて、日本の仏教文化全体に豊かな影響を与えてきました。

平安仏教②:真言宗


真言宗は、平安時代初期に空海(弘法大師)によって創立された密教の一派です。
真言宗は、密教とも呼ばれ、密教的な教えや修行法を重視することで知られています。
その特徴は以下の通りです。

■歴史的背景

言宗は、空海(弘法大師)によって9世紀初頭に創立されました。空海は、中国やインドなどで密教を学び、その教えを日本に伝えた僧侶でした。
彼は密教の教えを日本の文化に適応させ、真言宗として体系化しました。
真言宗は、日本独自の密教の流れを形成し、後に他の宗派とともに日本仏教の中心的な位置を占めることになりました。

■信仰内容

真言宗は、仏教の根本教典である「大日経(だいにちきょう)」を重要視しています。特に、真言宗の中心思想は、真言(マントラ)の唱え方を通じて、仏や菩薩の力を得るという考え方です。
真言とは、特定の音節や音の組み合わせで構成された神秘的な呪文であり、この真言を繰り返すことで信者は霊的な力や悟りを得るとされています。
また、真言宗は仏教の修行法を、修練(しゅべん)、灌頂(かんじょう)、加持(かじ)の3つの段階に分けています。
修練は修行を行い、自己の内なる悟りを目指す段階であり、灌頂は密教の秘密を伝授される儀式です。
そして加持は、真言や仏の力を信者に授ける行為を指します。

■修験道と山岳信仰

真言宗は、修験道(しゅげんどう)と呼ばれる山岳修行を重視しています。
修験道は密教と密接に結びついており、修験者は山中で厳しい修行を行うことによって霊的な力を養い、悟りを得ることを目指します。
特に、真言宗の中でも高野山が最も重要な修験道の中心地とされています。高野山は空海が開いた場所であり、多くの寺院や修行場が立ち並んでいます。
ここには、修験道の修行をする修験者たちが集い、真言宗の教えを広める役割を果たしました。

■影響と現代の状況

平安時代に真言宗は皇室や貴族階級の支持を受けて栄えました。
しかし、鎌倉時代以降は、浄土宗や日蓮宗など他の宗派との競争が激化し、真言宗の勢力は一時衰退しました。
それでも、真言宗は日本の仏教に深く根付いており、現代でも多くの寺院や信者によって信仰されています。
真言宗の影響は、日本だけでなく、朝鮮半島や中国、その他の東アジア諸国にも広がりました。また、真言宗は美術や書道、庭園など日本文化の多くの分野にも深い影響を与えています。

平安仏教の語呂合わせ

平安仏教とその開祖を語呂合わせで覚えるため、まずは情報をまとめておきましょう。

・真言宗(しんごんしゅう):空海(くうかい、くうねんだいし)
・天台宗(てんだいしゅう):最澄(さいちょう、さいちょうだいし)

これらの情報を語呂合わせで覚えるためには、

「真空(しんくう)・天才(てんさい)」

と覚えてしまうのが一番分かりやすいでしょう。
言宗を開いたさんで真空
台宗を開いたさんで天才です。(”サイ”の字が違いますが)
天才が真空空間にいるイメージでも良いですし、真空を利用した技術を天才が発明した、とかでもいいですね。