目次
係り結びの法則とは
係り結びは、文の内容を強調したり、疑問を表したりする時に使われます。
A:明日は早起きしよう。
B:明日こそは早起きしよう。
このAとBの文章があった時に、どちらの文章のほうが強調されていると感じるでしょうか?
間違いなく「B」ですよね。Bには「こそ」という強調を表す単語が含まれています。
古文にもこのように強調の役割をもつ表現があります。
これこそが「係り結びの法則」なんです。
現代語では係り結びの法則自体は失われましたが、古文にはこの法則が使われます。
係り結びの法則は、次の二つの点が重要です。
一つ目は、文はふつう終止形で結ばれますが、係助詞「ぞ・なむ(なん)・や・か」が文中にあると連体形で結ばれ、「こそ」があると已然形で結ばれるということです。
係助詞は、古文の品詞の「助詞」の種類のひとつです。
助詞は、他の単語との関係を示したり、単語にある意味を加えたりする機能をもつ品詞です。
二つ目は「ぞ・なむ(なん)・こと」は強意、「や・か」は疑問または反語の意味を表すということです。
強意は基本的には直前のものを強めますが、訳す必要はありません。疑問・反語は必ず訳します。
意味と訳し方
【強意】
■例1:紫の花の中には、かきつばたぞ少しにくき。(「にくき」は、「にくし」の連体形)
→「いろいろある紫色の花の中では、他でもない、かきつばたが」と強めるために、「ぞ」が用いられ、文末が連体形になりました。
ただ、強める気持ちは訳出できないので、この文の訳は、紫の花の中には、かきつばた(×)少しにくし。(にくしは終止形)の訳と同じ(紫色の花の中では、かきつばたが少しいやだ。)でよいことになります。
【疑問・反語】
■例1:蓑傘やある。貸したまへ。(「ある」は、「あり」の連体形)
→「や」があるので、文末が連体形になっており、疑問か反語かを判断して訳す必要があります。
「疑問」は疑いや問いかけを表して「~か」と訳します。
「反語」は疑問文の形を借りた強い否定の表現です。
現代語でも「そんなこと知るか」という言い方がありますが、これは知っているかどうか尋ねているのではなく、「知らない」ということを強めて言ったものです。
反語はいったん疑問のように訳した後に否定の表現を付けた「~か、いや~ない」という形にあてはめてみるとわかりやすいです。
例1は、あとに「貸したまへ」とあることから、反語ではなく疑問だと判断して「蓑傘はあるか。貸してください。」と訳します。
■例2:わが母の声聞き知らぬ人やある。(「ある」は「あり」の連体形)
→例1と同じように「や」があって文末が連体形になっていますが、一般的には自分の母親の声がわからない人はいないので、
「自分の母親の声を聞いてわからない人はいるか?」と尋ねる訳し方は、どうもしっくりきませんよね。
そこで反語の形にあてはめると「自分の母親の声を聞いて分からない人はいるか、いやいない。」となり、しっくりします。
「自分の母親の声がわからない人間はいないよ。」と強く主張しているのです。例2の「や」は反語です。
確認問題
問題:次の( )にあてはまる語を書き込んで、係り結びの法則を確認しよう。
■結びの形
(ぞ・なむ・や・か)・・・文末は( ① )形
(こそ)・・・文末は( ② )形
■意味
(ぞ・なむ・こそ)・・・( ③ )(訳さなくてよい)
(や・か)・・・( ④ )または( ⑤ )(必ず訳す)
■訳し方
や・か・・・疑問の訳( ⑥ )、反語の訳( ⑦ )
答え
①:連体
②:已然
③:強意
④:疑問
⑤:反語
⑥:~か
⑦:~か、いや~ない
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。