階差数列の解き方|高校生/数学

勉強方法

難しい単元が続く高校数学のなかでも、階差数列に苦しむ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな階差数列を、わかりやすく解説していきます。

まずは数の並びに慣れよう

下の数列はある規則に基づいて並んでいます。第1項から第5項まで並んでいる。
第6項を求めてみよう

では(1)から(5)までじっくり見ていきましょう。

(1)
3 6 9 …とみていった場合、この並びはどこかで見たことありませんか?
そうです。今は懐かしい九九の3の段ではありませんか。第1項は3×1、第2項は3×2、
第3項は3×3というように項の数を3にかけると求めることができます。よって第6項は18。

(2)
これはそれぞれの項を単体で見ると、1=1³ 8=2³ 27=3³となり3乗してできる数。
こういう数を数学では立方数っていいます。しかし、第1項が0³、第2項が1³…となっており3乗する数が項数より1少ないことがわかります。よって第6項は5³=125。

(3)
分母に注目してみると、2 4 8 16 …となっており、分母に2をかけると次の項になります。ということは第5項の分母が32なのでそれに2をかけると64となります。また、1つおきに-がついているので第6項は+となります。よって第6項は1/64。

(4)
分母と分子を別々に見ていきましょう。
分子は1 3 5 7 …と奇数の並びになっているので第6項の分子は11。
分母は1 4 9 16 …となっており、2乗してできる数(第1項は1²、第2項は2²…)
だから、第6項の分母は36となり第6項は11/36。
さっき3乗してできる数は立方数っていったけど2乗バージョンもあるのか気になりませんか?ちゃんとあります!平方数っていいます。
立方や平方って言葉聞いたこと過去にありませんか?
小学校のときに習った、体積や面積の単位に登場してきてますね。
立方センチメートルだの平方センチメートルでしたよね。

(5)
今までのものとは違い見た目での特徴がつかみづらいと思いませんか?
そういう時は、とりあえず隣同士の差をとってみましょう。

となり、差が1 2 3 4 …なっていることがわかりますね。
4の次は5であることがわかります。第5項が12なのでそれに5を加えて17。

高校生で習う数列は一般項を文字を使って表したり、その数列の和を求めたりすることがメインとなっています。
数の並びを見たときにどのような規則で並んでいるのかを見つけていく感覚で問題を解いてみるとよいのではないでしょうか。
一般項の規則性を分類したものが、等差数列、等比数列、階差数列でありパターン化されたものであるといってよいでしょう。

階差数列とは


の階差数列といいます。
つまり、隣同士の差をとったときにあらわれる数列のことです。

( )内は第1項から第(n-1)項までの和である。これをΣ記号を使って表すと

Σの計算の仕方

Σの計算の仕方は後ろに来る文字の次数によって公式がありましたね。
一応確認しておきましょう。

例題をやってみよう

次の数列{αⁿ}の一般項を求めましょう。
2 7 18 35 58 …

〇解答
まずは差をとってみましょう。

一般項{αⁿ}は初項が2なので n≧2のとき

n=1のとき

注意事項

 上記の問題は のときに公式を使って求め のときに求めた式が成り立っているのかを確認することが解き方の基本となっている。
を式化するということは全てのnについて成り立つことが前提となってきます。
しかし、筆者の経験上、マーク式の問題に関してはn=1のときに全てのnの例外になる場合は誘導があるためマーク式のみ受験する方はそこまで慎重にならなくてもよいのでは…と思っています。
しかし、記述試験を受験する方は慎重にならなくてはいけないと思います。
数学の問題を解くときに慎重にならなくてはいけない部分と、ながれでさーっと解き進めても大丈夫なポイントがあるのです。

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こちらの記事の監修者

浅井保(あさい たもつ)

  • ・北海道大学文学部卒
  • ・家庭教師のアルファ 講師部長

2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。