目次
漸化式って何?
まず漸化式とはなんなのかということからお話ししたいと思います。
漸化式の意味は、数列の各項をその前の頃から1通りに定める規則を表す等式のことです。
難しい言葉に感じますが詳しく解説すると、
の2つの条件を満たしている場合にこれらの情報を用いてa1,a2,a3,…の値が1つに定まる条件式のことを漸化式と呼びます。
まずは基本的な漸化式から学習していきましょう。
次の条件によってよって定められる数列の第2項から第5項を求めよ。
〜解説〜
第2項、第3項、第4項、第5項はそれぞれ𝑎2,𝑎3,𝑎4,𝑎5で表すことが出来る。
第1項は𝑎1=2
第2項は[2]の式を𝑎n=𝑎1と考えて計算を行うことで求めることが出来る。
つまり𝑎2=3×2+2=8となる。
第3項は[2]の式を𝑎n=𝑎2と考えて計算を行うことで求めることが出来る。
つまり𝑎3=3×8+2=26となる。
第4項、第5項も同様に計算すると
第4項は𝑎4=3×26+2=80
第5項は𝑎5=3×80+2=242となります。
漸化式の基本の3パターンの解き方
漸化式の基本のパターンは3パターンとは
以上の3つの漸化式のことを指します。
これらの公式を用いた一般項の解き方を1つずつ解説していきたいと思います。
①等差数列型の漸化式の解き方
等差数列型の漸化式を用いる前にまずは等差数列の一般項の公式を思い出しておきましょう。
等差数列の一般項は
漸化式では初項と公差を求めることができ、それを用いて基本の等差数列の一般項の公式を解くことで一般項を求めることができます。
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
<問題>
〜解説〜
まずは等差数列型の公式を用いて公差を求めましょう。
この式を、等差数列型の式の形に変形しましょう。
これにより初項が3公差が2の等差数列なので一般項は
となります。
② 等比数列型の漸化式の解き方
等比数列型の漸化式を用いる前にまずは等比数列の一般項の公式を思い出しておきましょう。
等比数列の一般項は
漸化式では初項と公比を求めることができ、それを用いて基本の等比数列の一般項の公式を解くことで一般項を求めることができます。
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
<問題>
〜解説〜
まずは等比数列型の公式を用いて公比を求めましょう。
この式を、等比数列型の式の形に変形しましょう。
これにより初項が2公比が−3の等比数列なので一般項は
③ 階差数列型の漸化式の解き方
階差数列型の漸化式を用いる前にまずは階差数列の一般項の公式を思い出しておきましょう。
階差数列の一般項は
で求めることができました。
漸化式では初項と公比を求めることができ、それを用いて基本の等比数列の一般項の公式を解くことで一般項を求めることができます。
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
<問題>
〜解説〜
となります。
階差数列の漸化式の計算では特性方程式と呼ばれる計算方法をとることで1つ目の式の変形が可能になります。
ではその特性方程式がどういったものなのか少し説明しましょう。
特性方程式の利用
特性方程式とは
漸化式を簡単に解くための必要な値を求めることが出来る方程式のことです。
が成り立ちます。
この形の式のことを特性方程式と言います。
次にcについて計算しましょう。
なので③の式のcに2を代入すると、
となりここからは階差数列の漸化式を求める流れに沿って進めることができます。さらに特性方程式は様々な場面で用いられることが多いです。
他の漸化式のパターンについてもいくつか学習しておきましょう。
漸化式が分数のときの特性方程式の利用
<問題>
〜解説〜
隣接3項間の漸化式の解き方
これまで解説してきたのは隣接する2項間の漸化式について求めてきました。
しかし隣接した3項間の漸化式と𝑎1,𝑎2によって数列
そこで、このような数列の一般項の求め方について解説していきましょう。
<問題>
まずは漸化式を変形していきます。
となります。
まとめ
漸化式は受験対策をする上で必ず学習しなければならない重要な範囲です。
大学受験での出題率も非常に高いです。
漸化式を利用した一般項の求め方は必ずマスターしておきましょう。
まだまだ紹介しきれていない複数のパターンが存在しています。分類分けを間違わないようにしっかりと注意しながら進めていきましょう。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。