幻想的な気象現象・3選|全学年/理科

勉強コラム

ふと空を見上げると、不思議な形の雲があったり、光の指し方がすごく綺麗だったことはありませんか?
「綺麗だなー」
「どうしてこんなことが起こるんだろう…?」
「この現象に名前はあるのかな?」
そう思った瞬間が、勉強のチャンスです。
この記事では、昔から人々を魅了してきた幻想的な気象現象を3つご紹介し、その名称や仕組みを分かりやすく解説していきます。

目次

1:天使の梯子


天使の梯子は、雲の中に太陽が隠れているとき、雲の切れ間や端から光が漏れ、光の柱が地上へ降り注いでいるように見える現象のことで、
「薄明光線」
「ゴッドレイ」
「レンブラント光線」

とも呼ばれます。

レンブラント光線というのは、ヨーロッパ美術史における重要人物の一人、レンブラント・ファン・レインが、この現象を好んで描いたことに由来しています。
彼は光の当たる部分と闇の部分との対比を強調して描くことで、幻想的なな雰囲気や宗教的な神々しさを表現することに成功しました。

この現象は特に空気の澄んだ秋から冬、時間帯としては太陽の角度が低くなる早朝および夕方に多く見られるとされています。

2:スーパーセル


スーパーセルは、回転する継続した上昇気流域を伴った単一セルで構成される非常に激しい嵐ことで、超巨大積乱雲とも呼ばれます。
スーパーセルは
・被害級の強風・突風
・豪雨・洪水
・竜巻
・落雷

などの激しい気象現象を発生させるものとして恐れられています。

通常の雷雲の水平規模が数kmなのに対し、スーパーセルは大きいもので100kmにも達します。

また持続時間の長さも特徴であり、通常の積乱雲は数十分から1時間程度で消失しますが、スーパーセルは数時間もの寿命を持ちます。

スーパーセルが最もよく発生するのはアメリカのグレートプレーンズ地域です。
日本でも2017年8月22日に愛知県清須市や一宮市などの尾張北部でこの現象が発生し、甚大な被害をもたらしました。

3モーニング・グローリー


モーニング・グローリーは、朝方を中心に現れる、巨大なロール状の雲の帯のことです。

その長さは最大1,000キロメートルに達し、時速60キロメートルもの速度で移動するものもあります。

主にオーストラリアやアメリカなどで観測されますが、日本でも新潟県佐渡市相川沖の西約120キロメートルの日本海上で観測されたことがあります。

モーニング・グローリーが発生する原因としては、海風と陸風が衝突してできる前線による循環などが考えられていますが、そのメカニズムは未だ完全には解明されていません。