目次
はじめに
なかなか時代の流れを覚えられないという生徒さんは多いです。
そのような生徒さんへ時代が変わっていくタイミングでの出来事や背景を理解すると、丸暗記よりは意外とスムーズに頭に入りやすくなります。
今回は鎌倉時代がなぜ衰退していったのか、という点を元寇という外国の侵略戦争の歴史から見ていきたいと思います。
そもそも元寇が起きた原因は?
鎌倉時代中期に、元の帝王フビライ・ハンは自分たちの属国であった高麗の人間より日本の噂を耳にし、また、マルコポーロ『東方見聞録』で日本には金がたくさんあることを知り興味を持ちます。
当時、日本を属国にすることで南宋の攻略がうまく進むと考えていたともされ、元へ服属させる目的で6回に渡り日本へ使者を送ります。
しかし時の鎌倉幕府6代執権北条時宗はこれを無視します。
元は5回目の使者を送った後に南宋の攻略がほぼできていたことも拍車をかけ、日本征服への準備を1273年に開始し始めます。
文永の役
文永十一年(1274年)10月に、属国である高麗軍とあわせて3~4万人といわれる軍勢を日本へ送ってきます。
当然、輸送手段は船となりますが、その数は900艘にもおよんだと伝えられています。
初めに対馬についた元軍は対馬守護代の宗資国と戦います。宗資国軍も善戦しますが多勢に無勢であえなく敗北となります。
その次に元軍は壱岐そして肥前沿岸に襲来し壱岐守護代・平景隆や肥前の御家人たちが応戦するもやはり結果は鎌倉軍の敗北と終わります。
このまま元軍の勝利で終わっていたら、おそらく今の歴史は大きく変わっていたはずです。
しかし、そうはなりませんでした。
この後、博多湾に進軍してきた元軍は赤坂の戦いで、鎌倉軍に負け敗走します。これは戦法的に不利な環境になったことが原因とされています。
逃げた元軍を追って始まった鵜飼潟の戦いでは、逆にまた日本軍が苦戦したものの、ここで「神風」が吹いて奇跡的に鎌倉軍が勝利したとされています。
ただこの「神風」については鵜飼潟の戦いは時期的に10月での戦いであり、のちの気象データの情報などからも台風はないことが分かっています。事実としては、鎌倉軍が鵜飼潟の戦いで善戦し元軍を敗北に追いやったということのようです。
弘安の役
元軍に勝利した鎌倉幕府は、今度は反転攻勢、元軍の討伐のため高麗への侵攻を計画し、同時にまた元軍が襲来することに備え、博多湾沿岸に石塁地を設置し軍や船舶を終結させます。
ただこの準備に人手が取られたため、高麗への侵攻はできませんでした。
弘安4年(1281年)再び元軍が襲来します。その数、14~15万。また対馬そして壱岐と攻め込んできました。
その後博多湾沿岸に元軍は進軍してきますが、ここで事前に備えていた石塁地での鎌倉軍の防衛により博多上陸を諦めた元軍は志賀島へ上陸します。
志賀島では元の東路軍に対し鎌倉の軍勢が総攻撃を行います。交戦不利になった東路軍は志賀島から脱出し江南軍と合流し、最後の戦いである鷹島沖海戦が始まります。
ここでは文永の役でも出てきた「神風」が吹いたとされ元軍の船4000艘ほどが一夜で200艘になったと記されています。
7月での戦いということで、この台風は事実だったのでしょう。残った元の軍勢を掃討し鎌倉軍は弘安の役に勝利します。
鎌倉幕府の衰退
2度の元の襲来に勝利した鎌倉幕府でしたが、戦ったのはほぼ御家人たちです。
鎌倉幕府と御家人は、ご承知の通り御恩と奉公の関係で成立しています。
ただこの2度の元との戦いは御家人が先に自費で準備したものですが、それに対して十分な報奨が与えられませんでした。
限られた御家人にしか領地を与えられなかったため、その領地からの税収で暮らしている御家人たちは経済的に苦しくなり、金貸しから借金する御家人も現れてきます。
せっかく命を懸けて戦い抜いたのに、その後苦しい生活を余儀なくさせられたことで、鎌倉幕府への不満が次第に大きくなっていきます。
これに対し幕府は徳政令を出し、御家人の借金の帳消しを命じますが、焼け石に水の状態。この後、鎌倉幕府の統制に従わない武士たちが出現し始め、南北朝~室町時代へと時代の転換が進んでいくことになります。
おわりに
いかがでしたか?
日本の歴史は、外圧による時代変遷が特徴的ですが、この元寇という事件もその象徴としてとらえることができます。
他の時代も外圧によって変わっていく事件や背景を学習すると歴史の動きが立体的にとらえられるようになってくるので、ぜひやってみてください。
歴史がおもしろくなるはずです。
この記事では元寇について、重要なポイントをおさえながら簡潔に解説しました。
元寇については多くの研究がなされ、近年では漫画化などもされているようです。
もしこの記事を見て、少しでも元寇に興味が湧いたのであれば、より詳細を知るためにも、いろいろな文献を読んでみることをオススメします。
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こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
- ・北海道大学文学部卒
- ・家庭教師のアルファ 講師部長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始し、数多くの生徒への学習指導を経験。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長。