メリットはなに?デメリットもあるの?
『言語の習得は早ければ早いほどよい』という認識は年々高まっています。
幼児には脳の臨界期と呼ばれる時期があります。臨界期は、様々な刺激によって脳の神経回路が集中的に作られる、一生に一度しか訪れない大切な時期です。諸説ありますが、言語習得における臨界期は、だいたい0歳から7歳までと言われています。
つまり、幼児期にしっかり英語に触れる環境を整えることで、将来的によりネイティブな英語の習得に繋がることが期待できるのです。英語への抵抗感も薄まり、就学後、英語を科目として学ぶ際苦労することが少なくなるでしょう。
ここまで聞くと、幼児の英語教育は早ければ早いほどよく、メリットばかりのように思うかもしれません。
しかし、一方では母国語への支障やコミュニケーション障害が出る、などのデメリットも指摘されています。
幼児に英語を学ばせる場合は、しっかりとカリキュラムを選んで慎重に行うほうがよいでしょう。特に「バイリンガルにしたい」「周りがみんなやっているから」といった安易な考えで始めてしまうのは避けた方がよいでしょう。
なにから始めればいいの?
幼児向けの英語教育は、英会話教室が主流です。他には家庭教師や家庭学習、通信教材、英語アプリなどの方法があります。
家庭教師のアルファでは、幼児向けコース「あるふぁるふぁ」で、英語を選ぶことが可能です。あるふぁるふぁでの英語は、あくまでも「アクティビティ」としての位置づけで、コース内にカリキュラムを設けています。
あるふぁるふぁの幼児教育理念は、まず国語、算数の主要2科目の土台作りです。但し英語が必要ないというわけではなく、国語、算数の学習の間に、アルファベットカードなどを使用して遊び感覚で楽しみながら英語に触れさせることを目的としています。
読解力はすべての学習の基礎です。もちろん、英語も例外ではありません。あるふぁるふぁでは、英語を単独で学ぶことよりも、国語、算数で学びの基礎を固めつつ、幼児の段階に合わせて無理なく英語に触れさせていく、といった英語学習を推奨しています。
2020年から英語教育が義務化、日本の英語教育の現状
2020年から学習指導要領の改訂に伴って小学校の英語教育が大きく変わり、「外国語活動」として英語に関する学習時間が更に増えます。オリンピックも間近に控え、ますますグローバル化が進んでいます。
とある企業が中学生およびその母親600名を対象に行ったアンケートによると、「子供に英語を習得させたいか」という質問に対し、なんと90%以上の保護者が「子供に英語が得意になってほしい」と回答しています。理由には、「将来の選択肢が広がるから」「グローバル化が加速するから」「英語で苦労をさせたくないから」などがありました。
しかし、中学生へ「英語が好きか?」と質問したところ、「英語が嫌い」という回答が40%にも上っていました。理由は「授業がわからない」「楽しくない」など、英語に対してかなり強い抵抗感を抱いてしまっているようです。これほどグローバル化が進み、英語教育改革が叫ばれているにも関わらず、「英語を習得してほしい!」という保護者の強い希望と、子供の意識が大きく乖離しているのが現状です。
お子さまにいちばん必要なものは…
保護者の幼児への期待や将来の懸念など、たくさんの思惑が幼児の早期英語教育に駆立てるのでしょう。
しかしその結果、先に記述したデメリットはもちろん、「英語嫌い」を生み出してしまう可能性もあるのです。
この現状を踏まえると、今幼児に必要な英語教育とは、「英語の習得」ではなく「英語嫌い」を生み出さないためのカリキュラムではないでしょうか。
幼児期に英語に触れることは大きな財産です。だからこそ、まずは幼児ひとりひとりにしっかりと向き合い、個性や能力、成長段階を踏まえた上で適切な英語環境に導くことが最優先だと考えられます。
主題の「幼児に英語って必要なの?」の答えですが、幼児の英語教育は科学的にも「効果」があり「重要」である。しかし「必要」と断言はできない、と結論づけるのが現状での最適解だと考えます。
家庭教師は幼児とマンツーマンでの学習が可能です。集団の英会話塾や英語アプリの他に、家庭教師という選択肢を考えてみることで、お子さまの「英語の可能性」をさらに広げることへと繋がるでしょう。
こちらの記事の監修者
浅井保(あさい たもつ)
・北海道大学文学部卒
・家庭教師のアルファ 講師部長
・山手中央高等学院 学院長
2008年に『家庭教師のアルファ』のプロ家庭教師として活動開始。
現在、株式会社アルファコーポレーション講師部部長、および同社の運営する通信制サポート校・山手中央高等学院の学院長を兼務しながら講師として指導にも従事。